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2009.02.19
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カテゴリ:医療行政
医師不足はもはや常識的な概念となり、いろんなところで医療の改善が提案され議論されつつあります。一向に改善されないことも大きな問題ですが、一般の人たちからは見えないところにもひたひたと崩壊の波は押し寄せて来ています。

 先日、大学病院に勤める友人と話をしました。彼は今、生理学の教室で学位をとる、つまり医学博士になるために研究の日々を過ごしています。一昔前までは、医師と言えば8割方医学博士を持っていて、やや安売りされていた感は否めません。しかし、日本ではもともと医学部の卒業生がそのまま基礎医学の講座に入局する数は少なく、臨床医が大学院等に入学した期間、基礎医学の教室に在籍して勉強しつつ研究をするというシステムでした。こうした期間限定の医師たちによって日本の基礎医学は支えられていたという面は意外に知られていません。一方、基礎医学は全ての臨床医が学ぶべき学問で、どんな臨床医であっても有る程度の基礎医学、例えば生理学や生化学の知識なくしては正確な診断は出来ません。中学校の数学をやらずに高校の数学が出来ないのと同じで、詳細まで極める必要はありませんが、臨床を学ぶ上での土台となりますから、基礎なしで臨床をミス無くこなすのは危険なのです。
 今、この基礎医学の講座が絶滅の危機に瀕しています。元々医学部に入学する人間の大多数は臨床医に憧れて入学してきています。6年間の大学生活で基礎に目が行く学生は少数派です。その上、基礎医学は大学以外ではポストは皆無に等しいため少ない人数でやりくりを余儀なくされています。それでも数年は基礎で過ごした後、臨床医になるという意識で基礎医学講座に入る人たちもいましたが、臨床研修医制度の施行で、医学生は卒業後臨床医として医療を行うために2年の研修が義務付けられ、最初に基礎医学を選ぶ学生数は激減しました。大学病院に所属する医師の減少で、期間限定で研究をする臨床医も減り、いま、基礎医学は人不足にあえいでいるのです。
 基礎医学講座の崩壊は、そのまま医学教育の崩壊を意味します。マスコミや、政治家は臨床の医師不足にばかり目が行き、医師を育てるシステムまでは気が回らないようですが、医学教育の現場では静かに危機的状況が進行しているのです。

 いつか、まともな医者が作れなくなる日がくるかもしれない。そう考えると、ぞっとするとともに不安を隠しきれないのでした


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最終更新日  2009.02.19 20:13:41
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