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水 沢 有 美

水 沢 有 美

水沢有美さんと<青春学園シリーズ>第9回

水沢有美さんと<青春学園シリーズ>第9回
第一部:夏木陽介主演『青春とはなんだ』(8)
三人娘だよ。水沢有美!~『青春とはなんだ』第33話「風が見ていた」篇~
 

 今回はのっけからサブタイトルでのキャスティング・ボードから見ていくことにします。その訳は…まあ、見れば解るでしょう。

1枚目 夏木陽介
2枚目 藤山陽子
3枚目 豊浦美子、岡田可愛、水沢有美
4枚目 木村豊幸、矢野間啓治、大沢健三郎
5枚目 関戸純方、三嶋正基、中村歌
6枚目 石黒高志、木下陽夫、松浦忠、北里深雪
7枚目 和田孝、小栗一也
8枚目 三遊亭小金馬、菅井きん
9枚目 藤木悠、十朱久雄

 ご覧のように初めてメイン女生徒である豊浦美子さんと岡田可愛さんの二人と並んで3枚目のボードに登場です。三人娘としての出演するのは4度目くらいですが、キャスティング・ボードでこのように並んだのは初めてのことです。さあ、今回が楽しみになってきました。
 第33話「風が見ていた」は、井手俊郎/田中美樹共同脚本で松森健監督作品です。放映日は1966年7月24日でした。
 県下最大のマザー牧場の若松氏 (小栗一也)から野々村先生(夏木陽介)を一人娘・春江(中村歌)の養子にという要請を受けている宮内校長(十朱久雄)は、これがまとまれば体育文化ホールの資金提供を受けられた上に煙たい野々村先生を学校から追い出すことが出来て一石二鳥になると中川先生(藤木悠)と二人してほくそ笑むのだった。さっそく馬に乗りたがっていた野々村先生は、久保(木村豊幸)と寺田(矢野間啓治)を引き連れてマザー牧場へ。
 一方、永井先生(藤山陽子)と三人娘(水沢有美、岡田可愛、豊浦美子)は花の展示会でカメラマン石川信男(和田孝)と会う。永井先生がお目当ての信男に「君たちは美人だ写真を撮りたい」とおだてられ熱をあげる三人娘。
 夏休みということなので女生徒は順子、勝子、佑子の三人娘だけの登場となったのでしょうか。ともあれ水沢有美さんは、これまで以上の露出度です。露出といえば、プールに行くシーンが二度あるので、藤山陽子さんも含めて三人娘の水着姿も拝見できるのが見所の一つでしょう。しかし、今回は40場面中13場面にも登場です。セリフもたくさんあるし、見所も多いし、どこまで報告できるか不安ですが、順に追っていきましょう。
 
第1場面(#6)食堂やよい店内。
 野々村先生とマザー牧場に行くことになった久保と寺田が三人娘にも一緒に行こうとさそっている。だが、「準備が大変なのよ」(佑子のセリフ)、明日の天気予報は雨だからと断る三人娘。

第2場面(#8) 食堂やよい(翌朝)
 店内を掃除している順子。「順子!順子!」と入ってくる勝子と佑子。天気になったとくやむ三人娘。

第3場面(#14)教室。
 マザー牧場で春江と写った写真を誇らしげに三人娘に見せている久保と寺田。癪に障る三人娘たち。水沢有美さんがセリフいう場面を中心に採録してみます。

写真を手にニヤニヤしている久保と寺田。勝子と順子とのやり取りがあって…
久保 「帰るときにまたいらしてね、ときたもんだ」
寺田 「うん」
 二人で嬉しそうに笑う。
佑子(水沢有美) 「お世辞よ!」
寺田 「本当だったよなあ」
久保 「うん」
 寺田の手から写真を奪い取って見る順子。
順子 「そうかしら」
久保 「こんなきれいな人見たことないなあ」
勝子 「あら、私たちだって女性であることを忘れないでよね!」
 怒って、久保の持っていた写真を手で叩き落す勝子。
順子 「女の子の前で他の女の人のことをほめるの、失礼よ」
寺田 「(順子が写真を破る仕草をしたため、あわてる)ああ!」
佑子 「まるで私たちが女じゃないような言い方よ!」
 プイと上を向いてふくれる佑子。
寺田 「そう怒んなさんなって」
勝子 「これが怒らずにいられますか」
順子 「デリカシーがないわね」
 キャプテンの林(関戸純方)がやってきて二人に練習が始まるぞと声をかけ、二人はこれ幸いとばかりに教室から出て行く。
勝子 「何、あの態度!」
佑子 「馬鹿にしてるわ!」
順子 「私たちが可愛くないみたいじゃないの!」
勝子 「本当よ。大変な侮辱よ!」
佑子 「こっちが相手にしなければいいわよ。あんなの」
勝子 「胸がスカッとすることないかしら」

第4場面(#15)玄関の靴棚の所。
 永井先生が靴を取り、帰ろうとしている。三人娘が先ほどの件を報告し、鬱憤晴らしのために永井先生を映画に誘うが、永井先生は華道のお花の展示会へ行くことになっているという。同行させてもらうことにする三人娘。佑子のセリフ「どっかに行くんですか?」

第5場面(#16)花の展覧会会場。
 お花の先生と一行が挨拶をかわしているとお花の先生の弟でカメラマン・信男が永井先生を目ざとく見つけてやってくる。「美人揃いだ」とおだてる信男。永井先生が三人を紹介するのですが、ここで佑子の姓が水沢有美さんの本名の姓だった「小沢」だとわかります。この一連の場面も適時、採録しておきます。

永井先生 「ご紹介しますわ。こちらから松井勝子さん。山下順子さん。小沢佑子さん」
三人娘 「よろしく!」
信男 「高校生ですね」
三人娘 「ええ」
信男 「ぜんぜんレディだな」
勝子 「どうもありがとう」
 さきほどの久保と寺田の件の後だけに喜びもひとしおの三人娘はうれしく笑いあう。一連の会話があって…
順子 「いつ東京にお帰りになりますの?」
信男 「君たちのような美人がいるんだったら当分、姉のところに居候して遊ぶことにしますよ」
佑子 「(うれしそうに)私たち美人ですか?」
信男 「うん。美人の部類だね」
 うれしくて笑い声を立てる三人娘。信男はチラリと永井先生を見て言葉を継ぐ。
信男 「君たちをモデルにしてバリバリ写真を撮りたくなりましたよ」
三人娘 「わあ!」
 
第6場面(#22)橋。
 花束を持っている勝子と順子。そこへ佑子もやってくる。ここも採録します。
順子 「あっ、(呼ぶ)佑子!」
佑子 「ああ(手を振る)」
 やってくる順子と勝子。
勝子 「どこいくの」
佑子 「あなたちと同じところのようね」
 佑子も花束を持っているので、信男を目当てにお花教室に行くつもりなのだ。
勝子 「狙いは信男さんね」
佑子 「うん、その通り」
勝子 「佑子はいいとして順子は資格ないわよ。(佑子に)ねえ」
佑子 「(勝子に)うん」
順子 「どうして」
佑子 「橘さんて彼氏がいるんじゃない。(勝子に)ねえ」
順子 「それはそれ。これはこれよ」
勝子 「まあ、欲張っているのね」
順子 「信男さんが我々のうちの誰を選ぶか。抜け駆け厳禁のフェアプレイでいかない?」
佑子 「オッケイ」
勝子 「賛成」

第7場面(#23)お花教室の玄関口。
 信男がスポーツカーを洗っている。やってきた三人娘に信男は永井先生をさそって池田町にあるホテルのプールに行かないかと言う。喜んで誘いに応じる三人娘。この場面では、いまでは日本泳法の名人である水沢有美さんが泳げないというのが聞き所です。3歳で大島の海で泳ごうとした水沢有美さんですからご本人は泳げたのでしょうが、佑子は泳げないという設定だったようです。この会話の部分だけ採録します。

佑子 「あたし泳げないんですけど教えてくださる?」
信男 「まあまあまあ、任しておいてよ」
佑子の声 「お願いします」
信男 「あ、そうだ。ついでに永井先生を誘ってみたらどう?」

第8場面(#25)グランド。
 信男のスポーツカーに乗ってやってくる三人娘。グランドの野々村先生を見やる永井先生。職員室で校長先生と中川先生が野々村先生のマザー牧場の春江との見合い話を聞いた直後だけに見せつけのために信男たちの誘いに応じる永井先生。うろたえる野々村先生。

第9場面(#30)プールサイド。
 三人娘は無視され、永井先生とばかりに話しかけている信男。「プールサイド」という作品集を企画していてぜひそのモデルになってほしいと口説いている。ようやく信男の意図に気づく三人娘です。
永井先生は学校から直行だったので洋服姿ですが、三人娘は水着姿です。勝子は二色の縞で順子と佑子は単色のワンピース水着で画像がモノクロなので色はくわしく説明できませんが、佑子が白一色なのははっきりとわかります。
この場面の佑子のセリフ「何、あの態度」「私たちはほっぽりばなしでさ」「目指す相手は先生だったのね」

第10場面(#33)、第11場面(#34)校舎前。
 久保、寺田とお互い先生たちのダシにされていたことを確認しあう三人娘。そこへ信男がスポーツカーに乗ってやってくる。さっそく見にいく三人娘。この場面での佑子のセリフ「春江さんは野々村先生のお見合い相手だったんじゃない」「ちゃんと知っているのよ。私たち」

第12場面(#39)食堂やよい店内。
 久保と寺田がと三人娘にマザー牧場の春江が従業員の佐野とめでたく結婚することになったことを報告している。そして、野々村先生と永井先生をどうにかしてやろうと相談する五人。水沢有美さん扮する佑子が何やら妙案を考えついたようです。輪になって相談する五人。
佑子のセリフは、「まだ残っているわよ」「野々村健介と永井明子」「やめてよ、やめてったら。先生たちを何とかしようって相談しているんでしょう」「あっ、ねえ。こうしたら」

第13場面(#40)プールサイド。
 水着姿の永井先生をしつこく撮っている信男。怒り心頭の三人娘は信男をプールに叩き落す。そこに呼ばれた野々村先生がやってくる。野々村先生と戯れる永井先生と三人娘たち。

 ふう。今回は水沢有美さんの出演場面が多くて最後は息切れしてしまいました。この辺で今回は締めたいと思います。
次回は夏山でのラグビー部の合宿をめぐっての話、第34話「太陽と青春」です。佑子が大変な目に会うことになります。


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