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水 沢 有 美

水沢有美さんと<青春学園シリーズ>第7回

水沢有美さんと<青春学園シリーズ>第7回
第一部:夏木陽介主演『青春とはなんだ』(6)
男女共学バンザイ!~『青春とはなんだ』第31話「ある初恋」篇~
 

 今回は少々、下調べに苦労しました。というのもオープニングのプロローグ・シーンに勝子(岡田可愛)が新聞を片手に持って教室に入ってききて女生徒たちだけを教壇に呼びます。そこで一同が見る新聞記事は、男女同権や男女共学が揺らいでいるというものでした。その画面いっぱいに大写しになる新聞には、5月3日憲法記念日という記載が見えました。こういった小道具関係が気になってしまう私としては、これが本当の新聞記事なのか小道具として作成されたものか確認したくなります。よく小道具としての新聞や雑誌の場合、見出しだけは関連するものであっても中身はまったく関係ない文章を貼りつけているケースがほとんどですが、画面で見る限りでは、見出しだけではなく本文も関連したもののようです。
 そこでまず、地元の市立図書館に行ってみましたが、この1966(昭和41)年5月の縮刷版はありませんでした。1970年代以降の朝日新聞のものしかないのでした。本当の新聞記事が使われている場合でも、日本テレビの放映ですから読売新聞としか考えられません。かくして読売新聞縮刷版を捜して読売新聞社本社へ。いえいえ、国立国会図書館がありました。以前は、利用時間は平日が5時までで土曜日も午前中まででしたが、最近は便利になって平日は夜7時まで、土曜日も夕方5時まで利用にできるようになりました。また、朝日、毎日、読売などの新聞は縮刷版が明治、大正のものから開架で閲覧できるので便利です。
さて、結論から言いますと当然の如く該当する紙面は実際にはありませんでした。この新聞紙面は美術の人による小道具として作られたもののようです。プロローグ・シーンで勝子が読み上げるので、今回は冒頭シーンからの採録から始めたいと思います。ついでですので、今回は引き続きサブタイトルの部分まで見ていきましょう。

●教室
 勢いよく順子(豊浦美子)と勝子が入ってくる。
 勝子の手には新聞が握られている。
順子 「ねえねえ、みんな!ちょっと来てよ」
勝子 「大変、大変!」
男子生徒 「なんだい」
順子 「男はダメ」
勝子 「女だけ。早く早く(手招きする)」
 順子が男子生徒を「出っててよ」と教室から追い出す。
 集まる女子生徒たち5人(水沢有美、松田八十栄、遠山智英子ら)
順子 「見た? この新聞」
勝子が新聞紙面を指差しながら読み上げる。
勝子 「男性巻き返し時代へ。高校で別学の傾向!」
佑子(水沢有美) 「まあ、問題ね。これは」
勝子 「でしょう」
満子(松田八十栄) 「男女共学のどこがいけないのよ」
幸子(遠山智英子) 「明らかに逆コースだわ」
勝子 「そうよ。(新聞を読む)女は学問をするな馬鹿になれ。黙って子どもを生んでろ。どうこのデタラメな思想!(金切り声で)いー、悔しい!
順子 「落ち着いて」
勝子 「だって…」
順子 「それがいけないの。すぐに感情的になるのが」
勝子 「じゃあ、どうするのさ」
順子 「まずは足元から。我が森山高校の男女共学の実態を掴むことよ」
佑子 「そうね。みんなで手分けしてパトロールしよう!」
勝子、順子 「オッケイ」
勝子 「レッツ・ゴー!」
 駆け出していく女生徒たち
●サブタイトル「ある初恋」(安井悦朗によるタイトル画は、白いハンカチをかざして手を振る女子学生の背。遠景にはラグビー部員がロードワークをしている)とともに布施明が歌う主題歌「若い明日」が流れる。脚本:須崎勝弥などといったスタッフ・ボードにつづいてキャスティング・ボードへ。

1枚目 夏木陽介
2枚目 藤山陽子
3枚目 南弘子、豊浦美子、岡田可愛
4枚目 木村豊幸、矢野間啓治、関戸純方
5枚目 大沢健三郎、木下陽夫、石黒高志
6枚目 松浦忠、松田八十栄、水沢有美
7枚目 遠山智英子、西田千代子、田中美恵
8枚目 清水元
9枚目 松村達雄

監督:松森健
制作:日本テレビ、テアトル・プロ、東宝株式会社
(主題歌終わる)

 さて、キャスティング・ボードの3枚目の冒頭は、南弘子さんが豊原美子、岡田可愛のメイン女生徒の二人を抑えて配置されています。というのも今回は、この南弘子さん扮する並木和子とラグビー部のキャプテン林(関戸純方)の恋愛話に勝子、順子、寺田、久保が関わるというものだからです。また、7枚目の遠山智英子さんの後にある二人の女性名は、並木和子の妹たちなのですが、最後の田中美恵さんは、水沢有美さんが完全レギュラーだった『進め!青春』で、主人公の高木進(浜畑賢吉)の妹役をしています(この時は田中美惠子名義)。
ちなみにこの挿話は、映画『燃えろ!太陽』(松森健監督、須崎勝弥脚本)にて酒井和歌子さんが並木和子にキャプテン(役名は立川太平)に黒沢年男さんが扮してリメイクされました。

 ところで、新聞記事の件ですが、まんざら脚本の創作だとも思えないところがあります。読売新聞の1966(昭和41)年5月27日(金)朝刊の第14面にこんな見出しの記事がありました。<「男女共学」の再検討を 女らしさを高めるために 高校長会>。26日に開催された全国普通科高校長会にて女子教育研究特別委員会を設けて「形式的な平等は無意味で」「女子の特性や進路に応じた教育が必要」と検討していくことになったという内容の記事でした。そして、この第31話「ある初恋」の放映日は、この新聞記事の二日後である5月29日でした。偶然の一致とはいえ面白い符合があったものですね。

 もうお気づきかもしれませんが、延々と新聞記事のことを述べたのは、わざわざ国立国会図書館に行った成果を披露したかっただけではありません。実は今回、水沢有美さんは冒頭のプロローグ・シーンの他には3場面しか出演されていないのです。それでは、その3場面を紹介しておきましょう。今回は33場面ありました。すでに第1場面(#1)のプロローグ・シーンはすべて採録しました。

第2場面(#2) 校庭A。
構内の男子生徒に「男女共学」の意見を求めて歩き回っている女生徒たち。概ね肯定的に捉えていることを知り安心する。順子、勝子の元に報告しに戻ってくる佑子(水沢有美)、満子(松田八十栄)、幸子(遠山智英子)の三人。水沢有美さんの単独のセリフは「別に問題はなさそうよ」、「勝子、ひどくハッスルしているのね」。

第3場面(#3) 校庭B(バックネット裏)
第2番目に引き続く場面。ベンチで横になっている寺田(矢野間啓治)をからかう勝子たち。水沢有美さんのセリフは「ガラでもない」、「壊れたラジオみたい」の二つ。最後にアヒルのマネをして女生徒五人が揃って「ガーガー」と言いながら去っていく。

第4場面(#32) グランド。
林キャプテンと並木和子の恋愛話に寺田が絡んでの三角関係的になり、ラグビー部の和が崩れ解散直前まで行きますが、台風騒ぎに際に一致協力して並木家を助けてまさしく「雨降って地固まる」状態になり、再び一致団結するラグビー部。呆れ顔で説教する野々村先生。そこへ、拍手しながらやってくる永井先生と女生徒四人。この四人の中の一人が、水沢有美さんでした。今回はレギュラー女生徒の出演者は、メインの二人の他に水沢有美、松田八十栄、遠山智英子の三人でしたが、最後のこのシーンでは、何故か遠山智英子さんが欠席でした。

 というわけで、今回はこれにて。脱線が多かったようですが、どうかお許しあれ。では、また次回まで。



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