私訳・源氏物語

2017/03/04(土)22:44

転居 -1-

転居(21)

引っ越しが決まってから、家じゅうの不用品を処分しまくっている。一階の倉庫は去年の夏に人を頼んで一掃したのだが、 これに40万円もかかってしまったので、この度はできるだけ自分で処理しようと決意し、 ゴミの日にはパンパンに膨れた40リットル袋を提げて ゴミステーションを何度も往復したら、腰や背中が痛くなってしまった。30年以上住むうち、暮らしの垢のようにいつしか不用品が溜まってしまったのだ。私はネットで買い取り先を見つけ、着払いで様々なものを送った。今までで一番高値で売れたのは何と言っても「金」だった。 これは5,191円/g の時売ったのでかなりの金額になったが、 他はシャネルのマトラッセが42,000円になったくらいで、 ヒロフやトゥミのショルダーバッグなんぞは2,300~2,500円程度にしかならなかった。五月人形は大型が裏目に出て10,000円に買いたたかれた。「着払いで」と言われるまま送ったら、送料4,200円をちゃっかり差し引かれて、 振り込まれた金額はたったの5,800円。しかも送料の領収書さえ送ってこない。先週、着物買い取りに段ボール2箱分送ったが、買い取り金額は何と1,500円だった。数日前には記念切手の類を売って、2,200円の収入。昨日はブランド食器、電気ポット、電気タコ焼き機、分数ヴァイオリン、 茶道の道具、本棚、九谷焼や大倉陶苑の花瓶など全部ひっくるめて10,000円だった。今度の休みには近くの着物屋さんにちょっと上等な母の形見、 それに私の和服と帯締めを持って行く。母が私の成人式のために仕立ててくれた振袖は 卒業式と先輩の結婚式に着ただけだったし、可愛い小紋はしつけ糸がついたままで、 一度も袖を通すことがなかった。色留袖というのだろうか、きれいなピンク地の着物も、羽二重の喪服も、 みんな売ってしまおう。二束三文だとしても、リサイクルされて誰かに着てもらえるなら、それでよしとしよう。今までのしがらみをみんな断ち切って、そうして新しい暮らしを始めようと思う。

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