リスクを取らない経営者志望の教授

 空前の起業家ブームである。
 特にTLOという大学あるいは大学関係者の研究から特許を取得してそれを民間企業に貸与あるいはそれをもとに起業するという方式は、欧米では当たり前であったのが日本では長らくタブー視されていたからなおさらだ。
 同じ分野でしのぎを削っていた研究者である一人が成功すると、俺でもできるとある教授を紹介された。見かけはおっとりしているのだが話してみると欲深い。
 確かに株式会社を作って資本を集めるというのは王道だがベンチャーキャピタルだった人を見るから、自分は一切リスクを取ろうとしないのではそこが浅いと判断される。まして銀行も金は貸してくれないよ。
 こっちはプレゼン資料を作って技術の優位性や実現可能性、安全性等々いくらデータをもとにこさえても、「〇〇さんが社長やるんなら考えるけど・・・・」って
断られてしまう。
 「教授」ってナンボ豪いのかわからんけど、私からみりゃ出来の悪いというか圧倒的に馬鹿な後輩だってたまたま論文時期で忙しいときに公募があったら最高学府で助教授になってしまったんでちっとも評価しませんけどね、まぁおごっているよな。
 どこかのTV局でコメンテーターやっているやつなんかもうまい話だからと擦り寄ってくるくせにリスクをとれっつたら役員を引き受けなかったしな。
 銀行屋だって身包み剥がされる覚悟でやってなければ、大事な資金を貸せないはずだ。現実は、有名だからとかT大の後輩だとか下らん理由で貸し込んでしまって、こっちが命かけてまともにやっているのに会社訪問すらしないけどね。貸出審査辞典も満足に使いこなせない銀行員も増えているから仕方ねェか。


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