雑用と御所解の訪問着
室町のとんでもない不調から問屋筋の注文は激減しています。来年のカレンダー柄になる振袖の注文は来ていますが。ところが店頭で販売している小物は結構大忙しです。本家のブログに掲載した雅楽の手ぬぐいがあちこちに影響を与えています。格安で販売している手ぬぐいは別注でも同じ価格ですが、結婚式の記念に使うと言われて大層な時間をかけて柄を描き上げました。それが雅楽好きの皆様の琴線に響いたのだと思います。雅楽に関するハンカチや手ぬぐい等の注文が続いています。店頭でも正絹の生地を使ったシュシュが売れ続けて生産に追われ、無茶に安価なコースターも在庫が激減。これだけ忙しくしているのに懐が寂しくなる一方とは「なんでやねん」と皆で言いあっていますが理由は只一つ。数ヶ月前京都の料理旅館の若女将から本格的な訪問着を依頼され既に納品したのですが、その仕立が上がったのでお初に着用する姿を見に来て欲しいと頼まれました。お昼を頂いたのですが、流石にミシュランの一つ星美味しかった。若女将に素晴らしく似合っていてホッとした所です。我が工房では本格的な友禅の訪問着は長い間作っていませんでした。京都ならどこでも染めているのでそんなもの作らんでも良いと思っていたからです。作っていたのは世間に無いものばかり。それに近年はあることか友禅を中国でやり出したのです。お陰で友禅仕事は市内でも激減。友禅職人が現地指導しているのですから。ところが、本格的な友禅でも有り余る程作れば売れなくなります。生産していた「I」と言う会社は大赤字を出す事に。そんなこともあって作らなかったのですが、若女将に作った着物を見て自分も欲しいと仰るお客様がいらっしゃったのです。相談の結果、柄は御所解に。しっかり本格的なものにするつもりですが、図を描くのに可成り時間がかかっています。一度作った物を一からやり直したので余計ですが。少しづつですが出来上がってくると嬉しいものです。いつか本家のブログかメルマガに掲載したいと思っています。