|
カテゴリ:本の紹介
若い人は知らないかもしれませんが、1990年代には終末思想というのが流行りました。
世紀末には、この世は破壊され滅んでしまうという考えが結構信じられていたのです。 そしてそれを実行して見せたのが、かのオウム真理教です。 そんな世紀末的雰囲気に先鞭を付けたのが五島勉さんの「ノストラダムスの大予言」であり それを大いに煽ったのが「MMR(マガジンミステリー調査班)」なのです。 週間少年漫画雑誌マガジンの編集者で構成されたMMRは、リーダー・キバヤシの 圧倒的なリーダーシップに基づき、ありとあらゆる世紀末危機を煽り立ててくれます。 唯一キバヤシに抗弁できるメンバー・ナワヤも話の後半には言いくるめられ 率先して世紀末危機を煽るアジテーターと化します。 本来なら冷静であるべき読者の等身大のその他のメンバーたちも 名台詞、「なんだってー!」を叫んだりして恐慌に陥り いたいけな少年少女の恐怖の感情を大きく揺さぶったりなんかしてくれます。 そんなMMRですが、狂牛病の危機をいち早く取り上げたりなんかもしており そんな小さなリアリズムが大きなホラ話を信じ込ませるエッセンスとなっております。 世紀末は無事に過ぎ去りましたが、世紀末的な昨今のご時世 MMRを今一度読んでみてはいかがでしょうか? ![]() 石垣ゆうき作・講談社より出版(全巻そろえたいよー)
[本の紹介] カテゴリの最新記事
|