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ロシア料理店への招待

「あきれたもんだ!」

「それはないぜ!」

「おやおや」

ロシア語で、そんな時に使う言葉が

「ヨウキ ポウキ!」

そんな名のロシア料理店が、アゼルバイジャンの首都バクーにある。

これまでの仕事のお礼にと、アゼルの夫婦二組に友人と共に招待された。

この国は、ロシアから独立して13年たっても、まともな産業が育たず、

かって繁栄を誇った企業は、ロシアからの注文が途絶えて閑古鳥。

西洋から注文を得ようと、品質管理の技術指導を行って10ヶ月。

そんな矢先に、二人の優秀な人材が、指導した企業を去った。

ひとりは、指導した技術で欧州のISOの審査員補の資格を取って欧米の企業に就職。

半年、給与未払いだったので、ようやく家族を楽にできるという。

毎週、欧米テニスクラブでテニスを楽しんでいた私の友人。

給与が未払いだから会費を払えないと、最近は見てるだけだったボリスさん。


招待の理由は、これまでの、われわれの指導に感謝しての宴とか。

ロシア民謡の演奏を聴きながら楽しい雰囲気で宴は始まった。


右のカップルがボリス夫妻。ボリスはいつもニッコリ笑って言う。

「私のオクサンは美人です。それに娘がふたりいる。家では3人の美女に囲まれて、果報者です。」と。

この店は、生演奏があるので、すでに何度も訪れたお気に入りの店。

左端は、ピアノも手風琴もこなすこの店の楽師、いまでは私の親しい友人でもある。

彼は英語が話せない。僕はロシア語がほとんど片言。

でも、身振り手振りで、こんなことまで語り合えた。

彼の息子はふたり、一人は軍のパイロット、もうひとり

ディスコで遊び狂っている不肖の子がいる。

私の大好きな美しいロシア民謡「Two river side 」をいつも演奏してくれる。

手風琴にあわせて、歌ったら、他の卓の人まで拍手してくれた。

ロシア料理店


この国で恒例が、ウォッカを乾杯しながらのスピーチ合戦。

ふたりのどこかうしろめたい気持ちを払拭させ、のびのびさせたかった、

また、奥さんが20年も働いた会社からはなれるときいて不安がってたから、

私は、次のようなスピーチを行った。

「彼らが去ったと聞いたとき、最初は困ったけど、もう

マニュアルは完成した段階。あとは各部門の実施段階。

道はふたりがしっかり築いたあと、気にすることはない。

ふたりが去ったおかげで、他の人たちが、私たちの教育を得る機会を得始めている。

ふたりは、前の企業にいては、確かにその能力が十分発揮できないよう。

二人とも優秀、小さな枠に入りきれない大きな翼を持っている人たち。

学んだことをいろんな形で、多くのコーカサスの国に広める、

より大事な仕事が待っている。

奥さん方は、伴侶が大きな翼をもっていることを誇りに思って、

安心して、だんなさんの決断に付き従っていってください。」と。

みんなが、いいスピーチだったと握手してくれた。

ボリス氏の奥さんは、色白のロシア美人。

ボリス氏がテニスでミスすると、「アリヤ、リヤ、リヤ」と、

口をとんがらせて激励する、自らもテニスをする楽しい人。

絵は、クレヨン画「典型的ロシア美人のボリス夫人」

ロシア美人

天国にいるかみさんとテニスをしたら気が合いそうな気さくな方。

いつか天国にいったら、みんなでやろうかな。

絵を描いてあげたり、一緒にロシア民謡を合唱したり

夜が更けるまで、心温かい異国の人たちとの交流を楽しんだ。

彼らのいままでの給与は、月100ドル前後。

今日の払いは、半月分の給与に相当するだろう。

彼らは激しく議論する一方で、本当に優しい心配りをする。

だから、この国を去りがたい。


心も紙コップ風のカルフォルニアや、生き馬の眼を抜くハンブルグなどと違って、

この国は、明治維新の頃の日本のような、ひたむきさがある。

違うのは、国を牛耳る官僚が、日本は多くの若い人材を欧米に送って国の基礎を築いたこと。

この国は長いロシア体制の悪習をひきついで利権を漁り、

私腹を肥やす官僚ばかりで国の展望が見えないこと。

最近の日本は大差ないから、大きなことは言えないけど。


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