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水彩画紀行 スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

スペインの忘れえぬ人々 続編


スペインの陽射しは強く暑い。しかし乾燥しているので

汗をほとんどかかず、心地よい暑さ。


そんなある日、乾燥した麦畑を過ぎて、教会の尖塔が見えてきた。

町があるらしい。

コウノトリが大きな巣をつくって悠然としている。

そして、長い橋を渡って、小さな町に入った。

今、考えると、この巡礼路でもっとも好きになった宝石のような町。

川べりには、泳ぐ人々。

家々にはあふれるほどの花々。

たくさんの天幕が張られたキャンプ場は深い白樺の林に囲まれていた。

Hopital de Obrigo

キャンプ場の傍からたくさんの人の声がする。

プールがあるらしい。

泳げる! 

早速行ってみた。

受付の少女がとても可愛い。片言のスペイン語で話する。

少女の友達がたくさん寄ってきた。

美しい乙女達に囲まれ幸せな旅心で描いた一枚。

少女の名はピラール。

描かれた絵を欲しいと言われたけど・・・。

こんな一瞬のインスピレーションで心地よく描いた

絵は、二度と描けない。

心を鬼にして断ったけど・・・。

ごめんね。


少女

かってのスペインの独裁者フランコ総統は、夜間10時からの外出を禁じた。

男が3人以上集まって話していると警官がやってきて解散させた。

今でも、スペインの人は、彼を嫌っている。

スペインは、10の国から成り立つと言われるほど、多様な人種から

なりたっている。

だから、彼がいなかったら、スペインはひとつの国にまとまったか、

わからないと言う人もいるほど。

いまでも北のバスク地方では、独立運動が続いている。

スペイン政府は、アルジェの独立運動を徹底して鎮圧しようとした

フランスの特殊部隊に頼んで、バスクの独立運動家を殺害してきた。

ある日、巡礼路のとあるレストランで、多民族国家の一例を見た。

その時、でてきたウエイトレスが不思議な風貌をしていた。

「どこの国から来たの?」

「スペイン人だよ」

今いるコーカサス地方やシルクロードの面影のある芯の強い風貌。

まなざしが鋭い。

車の無い時代に、はるかアジアの地から、荷車に家財を積んで、

ヨーロッパを横切って、このスペインに住み着いたのだろうか。

彼女の先祖も、多分、厳しい風雪の歴史を経てきたのだろう。

顔の表情の奥にある歴史の重みを感じながら描いた一枚。

悠久の大地を個性的な独自の生き方でそのまま生きていって欲しいと願う人々。

国木田独歩の「忘れえぬ人々」が追い求めるテーマ。

そんな人々を描きとめていくのが、僕の旅のひとつの目的であり、

異郷の地で、ともに生きてると共感を感じる喜びの時である。

スペイン娘



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