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嫁ぐ娘への懺悔録

嫁ぐ娘への初めての懺悔録

★娘へ。産院へ行って初めてお前の顔を見たとき、

しもぶくれの横に広がった顔を見た時、

どこか他の子と取りかえれぬかと一瞬思ったことを懺悔します。

 その後、うまくデフォルメしてくれた神様に感謝しています。

 生まれたすぐの子って、どんなに皆が可愛いと言おうとやっぱりサルに似ているね。

★ 娘の名は佑香。よく裕香と書いて

 自分の娘の名は覚えといて!とよく怒られたことを懺悔します。

 いや、祐香だった? あれっ、どれが正しかったっけ?

★[ユカゴリラ?」 「違ーう!」。

「ユカゴリラ?」「違うーーー!」。

 とうとう泣き出したお前。

 お転婆で負けん気で、時には兄貴を泣かすお前を、

ものごころがつく2才まで「ユカゴリラ」と言って、からかった

悪い父親だったことを、ここに懺悔します。

★「肩叩き10分券」、「腰揉み5分券」、「買い物お使い10分券」、

 「お風呂沸かし券」 など、たくさんの「親孝行券」を呉れたのに、

 一度も使わずに無くしてしまったことを懺悔します。

 券が見つかったら今でも使える?

★幼稚園の学芸会の練習を終えてぷりぷり怒って帰ってきたお転婆娘。

 当日、原因が判明。カルメン役の子をにらみつけながら踊ってたから。

 負けず嫌いのお前が主役になれなかったからなんだと、

 お前のお母さんとクスクス笑ったことを白状します。

 でも最後に、人一倍大きな身振りで、

 口にくわえた薔薇をほうりなげるしぐさはほんとうに可愛かった。

★団体行動をさせよう。規律を守らせよう。

親がやらなかった社会奉仕をやらせようと、

いろんな夢を託して、両親は、お前を「ガールスカウト」に入れたけど、 

  「ガールスカウト」から帰るといつも、プリプリ怒ってた。

 今になって思えば、お前は団体行動とか規制を最も嫌う自然児。

スケッチに連れていっても、早く帰ろうとすねることが一度もない。

 ひとりで、ほおっておいたら、きらきらした眼で何かを見つけて熱中する子だった。

 あれは誤りだったと亡くなったかみさんと話したことを白状します。

★ お前とお母さんが、山に行く父親と友達のために、「卵サンド」、

「ハムサンド」、「野菜サンド」と、たくさん作ってくれた。

あの美味しいサンドイッチは、一体誰が食べたのだろう?

  駅のプラットフォームに忘れてしまったことを懺悔します。

★小学校6年間、夕方6時から9時近くまで、365日、剣道少年団に入れて剣道をさせた。

 腕前を見ようと庭先で試合して、思いっきり面を取って泣かせてしまったことを懺悔します。

 でも亡くなった剣道2段のお母さんが、毎日,同じことをしても泣かなかったぞ。なぜだ?

★5,6歳ころのこと、鳥取の森林公園へのスケッチ旅行に連れて行った時、

 絵に熱中するために、大好きな渓流に足を浸させ、

 水着がなかったので、 白いパンツひとつで泳がせた。

 その上に、その写真を、「水と人の触れ合い」という

 写真コンテストに出そうとしたことを懺悔します。

 裸で嬉々として水遊びする姿は、シックになった今の姿からはとても想像できない。

 ハンサムな旦那さんに、いつかメールで送るつもりでいることを、さらに懺悔します。

★年頃になった頃の授業参観の時、教室のベランダに出て

美しくなったお前の姿を記録に残そうと撮りまくった。

「ねえ、ねえ、あの変わったお父さん、誰のお父さん?」

と、お前に恥ずかしい思いをさせたことを懺悔します。

「二度とお父さんは学校に来ないで!」

と言いながら、高校対抗のテニス大会。

またかみさんと二人で応援にいって、

差し入れしたら、結構嬉しそうだったよ。

★「ボーイフレンドから電話がかかってきて、

駅でゆかさんを待っていていいですかと電話があったよ」

とかみさんが報告。

「あのお転婆娘にボーイフレンドがいるんだ!」

とかみさんとうれしく語りあったことを白状します。

たしか短大1年生、お転婆娘が一転して

服装に気を配るシックな少女に変わり始めた頃。

 来週、お前が式を挙げる相手のだんなさんが、どうもその電話の主のよう。

★「お父さん大好きと言え!」、「大好き!」が、毎日の合言葉だったのに、

 いつしか言わなくなって、さびしく思ったことをここに懺悔します。

花嫁

お前の花嫁姿を一番見たかったのは、お母さん。

それまでは生きていたいと何度も言っていた。


「癌になったのが自分で良かった。子供たちでも、お父さんでもなくて。」

亡くなる前にそう言っていたと、あとから聞いて知った。


 ここまで書いたら、涙が・・・・書けなくなった・・・・。

もう、おしまい。

  

思い起こせば、たくさんの楽しい思い出とともに

懺悔に似た思いが走馬灯のように回り始める。


絵は  油絵 「天使」

angel



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