水彩画紀行 スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

2006/06/13(火)09:10

晴れときどきおおあくび

白い砂浜を見ると、 飛んでいってぺたりと座り 砂を放り上げて空を仰ぐ。 土筆採りにいけば、 真っ先に土手の彼方に消えた。 渓流に裸同然で放り出すと、 喜々として飛び跳ねる。 いつも生きる喜びにあふれた 天衣無縫の子だった。 母親の死に号泣した、その娘も、 いつしか自分が母親となった。 娘の育児姿が、母親のそれと いつもだぶってしまう。 パステル画「晴れときどきおおあくび」 娘が父の誕生日に用意してくれた、ご馳走は、 はまぐりと海老と烏賊のパエリア。 野菜と肉のチーズフォンデュ。 いかに等分にケーキを切るかを討議する頃には、 すっかりシャンペンに酔ってしまっていた。 源氏蛍が飛び交う頃が、私の誕生日。 平家蛍が飛び交う頃が、かみさんの命日。 今日、清瀬のせせらぎ公園の清流に 遺影を抱いて見に行ったら、そこここに 細いはかなげな光の尾を見つけた。 たましいの ゆらぎにも似て 蛍かな 二匹の蛍火は、しばしば交叉しながら舞い上がり、 高い木の上に仲良く憩っていたかと思うと やがて、ふたつの光がひとつに重なった。 もつれあう 蛍火ふたつ 忍ぶ闇

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