|
テーマ:たわごと(26717)
カテゴリ:日記のようなもの
今日(金曜)は『日本国債の研究』(著者:富田俊基)という本を読み終わったりしたのですが、それも加えてふらふらと思ったことを書いていきます。
今回のテーマを大きく分けると ・なぜ破綻してる国の国債が買われるのか? ・物価が下がる理由はデフレ要因だけなのか? の二つになります。 まず、私も全体の規模は把握できてない(良い資料も見つけられなかった)のですが、現在の実体経済とマネー経済の規模は1対9となっていて、だから貿易統計とかだけ見てると全く実情に合わない事になります。 日々の為替の動きとかも、ダウがどーこーとかって適当なWBSあたりのたわごととかでは全く説明がつかない世界に入ってます。今では普通に50銭~1円50銭以上高下しますからね。一日で。 そんでマネーって言葉の定義も結構あやふやなのですが、例えば預金とか生保とかに預けられたお金って、全て利息が付けられているのです。つまり預けられた側はそのお金を増やさなければならない(増やす事を商売にしているので)。 そんなお金が例えば1000兆の1000倍くらい一日中世界をかけめぐっているとしましょう。1000京(ケイ)。その全てが上記の利息付のお金だとするとどうでしょう?とんでもない圧力になりそうですよね。それを仮に<自己膨張の圧力>としておきます。 例えば郵貯一つとってみても240兆くらいの預金量と言われているのですが、その全てが上記の<自己膨張の圧力>を持っているのです。日本の民間銀行の預金にしても同じです。M3+CDや広義流動性までを含めると少なくみても、日本国内だけでも、1000兆以上のお金が<自己膨張の圧力>を持っている事になります。国内がデフレだろうと関係ありません。 銀行が、「今デフレなのでお約束したお利息を払えません」と預金者に言ったらどうなるか想像してもらえばお分かり頂けるかと思います。 前置きが長くなりましたが、そんな世界中の圧力を持ったお金の行き所はだから、非常に限られている事になります。1個の塊が大きくなればなるほど、その資産の運用先は絞られてくるのです。 例えるなら東証一部の一日の出来高にしても1兆ちょいにしかすぎません。東証の時価総額の合計にしても約360兆です。あのトヨタの時価総額にしても14兆くらいなのですから。 最初に触れた本の中で、年間の国債取引が3800兆とか1000兆(1987年度時点)とか出てたので、これはざっくりした見方ですが、現在で同程度としても一日当たりにすると100兆円くらいでしょうか。(資料が見つからなかったので・・・) 巨額のお金が動く代表の一つでもある外為に関しては、この資料の中ではデリバティブを含めて、一日当たり150兆円くらいらしいです。(東京市場2001年 4月中の一営業日当り平均総取引高) 例えばあなたが100兆円を預けられたとして、「1年で0.1%増やして下さい」と言われたら、それは1000億円も増やさないといけないことになります。1%ならその圧力は1兆円にもなります。それがどのくらいの巨額かというと、あのトヨタの一年当たりの利益が1兆円。180兆もの資産を持つと言われる三菱東京とUFJの利益が08年度でやっと1兆1千億。 預金や信託の利払いの圧力というのはだから、ものすごいわけです。儲けた分からしか払えないのですから。 1998年のロシア危機で経営破綻したあのLTCMで約1000億ドル(当時の日本円で13兆円!)預けられていた。その預金(信託されたお金)をデリバティブで1兆ドル(当時の日本円で135兆円!)もの取引契約を世界中でしていたらしいので、これで現在の経済の雰囲気が何か伝わるかと思います。 (1000兆の1000倍というのもだから、当てずっぽですが、つまりそんくらい桁が知れない、と思って頂ければ充分) で、ですね。こっからが本題。(前置きナガッ!^^;) 預けられたお金を10倍とか100倍で運用できる金融・投資機関が世界中にいるわけです。彼らは各々の規模に応じて10億なり100億なり1000億なり1兆や10兆といった金を稼ぐ事を命題付けられています。 日本の国債市場でいえば、海外で所有されている分は全体の5%未満に過ぎません。 (そのリンク先の表だと政府機関所有は50%超) しかし国外の債権市場などは常に為替リスクを伴うので、国内の1000兆円以上のお金はだから、利率が低くても国債を買わざるを得ない。市場の規模の大きさからして、それだけ多額の資金の受け入れ先が他にあまり無い、という事情があって初めて、国債が買われている。(もちろん対政府の特別な事情があって動いているにせよ。) で、例えば極端な例え話として、日本が国債の発行を停止し、今までの既発国債の償却も全部済ませてしまったとしましょう。つまり、(現状からすると有り得ませんが)日本の国債市場が無くなったと仮定します。(クラッシュなどを起こさずに) すると当然、今まで日本の国債市場に向かっていたお金が、どっと海外に流れ出たらどうなるでしょうか?海外にとって喜ばしい部分もあるかも知れませんが、例えばそれが100兆円以上の規模だったとすると、とんでもないインパクトが生じるわけです。スマトラ島沖震災の津波くらいの衝撃を受ける市場が出てきても不思議ではありません。先程触れた通り、東証一部の出来高でさえ1兆円ちょいなのですから。 (アジアとかアルゼンチンの危機は外資の引き上げ) (まぁ日本が単純に破綻したら、世界中も単純に相当な危機に見舞われるというのが第一の理由にしろ)海外の国にとって日銀が日本政府の国債引受にもうるさくないどころかデフレ脱却策(&政府延命策)として推奨してるのは、そんな日本国内の預貯金の<自己膨張の圧力>をガス抜き場としての国債市場の必要性を認めているからなのかなぁ、とか思いました。 前置き長い割りに最後の一段落くらいでも良かった気がしましたが、長くなりすぎたので、 ・物価が下がる理由はデフレ要因だけなのか? は翌日分に書きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.02.27 00:05:58
コメント(0) | コメントを書く
[日記のようなもの] カテゴリの最新記事
|
|