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2005年11月03日
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カテゴリ:恋愛問題
結局、昨日までにノサカさんから
「今日のデート」について、何の連絡も来なかった。

「万が一3日がNGだったら、早めに連絡します」と、

言われていたが、彼の「早め」が一体いつを指すのかも不安だった。
昨日から浮かれモードに入っていたリコは、きっとこの浮かれぶりに反して
ドタキャンという結末が待っているような気もしてきた。

プレイボーイたるもの、ジラのもすテクニックの一つなのだろう。
この「やきもき」も久しぶりに味わう。

お~い、ノサカさん、忘れちゃったのかよ~
すると、半分諦めかけていた終業時間30分前の17時頃、
ケイタイにメールが入った。

ノ、ノ、ノサカさからだぁぁぁ!!!!!!!


From:ノサカ
Subject:無題
おつ。今日は大丈夫ですか?何時頃に上がれる?
場所はどうしましょうか?よければ、この前、行こうとして休みだった
あのエスニックの店なんかどう?


さすが、ジラしの魔術師、ノサカさん!
しかもリコも実は前回のリベンジとして
この店を提案しようと思っていたのよね。以心伝心。

「19時に店の前で」

ということになり、急いで帰る。
店までは、リコは徒歩圏内。ノサカさんはチャリ圏内。

帰宅して、メイクをリタッチ。すると、間もなくして、ノサカさんからの電話。

「ノサカです。この前みたいに店閉ってるのもイヤだから、店確認してきました。リコさんの通り道で待ってるんで、早く来てね。5分以内だよ。」

ちょっと親しくなった間柄への言い方で、リコの尻尾はもう振り切っていた。
キャイ~~ン。

不運なことに、この時間帯、下りに上りに貨物にとなかなか踏み切りが開かない。
すると、またノサカさんからの電話。
踏み切りの向こうにケイタイを持ったノサカさんが
こっちを向いて手を振っている。

もう、溺死。

踏み切りが開いたと同時に小走りなリコ。
あーん、やっと彼の元に行けた。

「リコちゃん、まず最初に謝らなければいけないことがあって・・」

え゙?
なに?
急用ができて1時間しかないとかそんなこと言わないでぇ。

「・・実は、プレゼント用意できなくて。『手袋』にしようと思ってこの辺の店に行ってみたんだけど、クリスマス商戦に出始めるのか、まだ店に置いてなくってね・・。こっちはやっぱり暖かいってことなのかなぁ?とにかく、手ぶらでゴメン」

プレゼント?

いいんです、いいんです。
そんなの要らないんです。
今日の「この日」が充分にプレゼントだって!
・・てなことは、恥ずかしくて言えなかったけど。

ノサカさんからのプレゼントなんて想像もしてみなかった。
なんてイイ人なんだ。律義な人なんだ。
さすが、ノサカさんクラスになると、こういうコトをサラ~っとデキちゃったりするんだ。言えちゃうんだ。・・ってことは、勘違いしちゃう女もたくさん居ただろうにね。
やっぱり、罪なオトコだよ、ノサカさん!!

すっかりノサカさんにヤられていた。

店に着いて、シンハーとバリハイで乾杯する。
「お誕生日おめでとう~」

何年ぶりだよ?こういうのって。

一人で切り盛りしてるこの店の料理が遅いことも、
オーダーをなかなか取りに来てくれないのことも、
全く気にならないどころか、このままでもよかったくらいだった。

もう、リコはおかしなことになっている。

ノサカさんの大失恋話、お互いの結婚観、趣味の話・・・

興味のある男を前にすると、どうしてリコはこうも饒舌になるのだろう。
つくづくわかり易い自分に笑えた。

店が閉店する23時過ぎまで、話が尽きることはなかった。

「今日はお祝いだから、お財布はしまって!
・・じゃあ、そのお金は次回ってことで」と、リコが差出すお金を拒む。

そして、ノサカさんが言った「次回」と言う言葉を幾度となく自分の中で確かめる。この「ちょっとした言葉」にすがりつこうとした。

自転車を引っ張りながら、リコの家の前まで送ってくれたノサカさん。

「11月はなんかかんだ、やっぱりこっちに来る機会が多いと思うよ。また帰って来た時には連絡してみますよ」

明日の朝、彼は大阪に旅立ってしまう。
大阪のような都会では色んなことがあるだろう。

「せっかく、お近付きになれたのに、残念ですね」
今のリコが言える精一杯の言葉だった。

彼とリコにどんな縁があるかわからないが、
36才3日目は想い出に残る一日となった。

そして、カラダの中から何とも言えないステキな分泌物が
大量に生産されたような気がする。














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最終更新日  2005年11月04日 22時44分37秒
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