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2018.04.09
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カテゴリ:短編小説
都内ではなく、ずいぶん遠いところだな。
 ケイタイを耳から離すと、腹がグーと鳴った。しかしメシどころではない。ケイタイでその駅までの運賃を調べた。小銭を数え直す。帰りは何とかなるだろう。車で送ってくれるかもしれないし、いやいやギャラの前払いをしてくれるかもしれない。なにしろヒロインの父親役なのだから。いきの電車賃だけ何とかなればいいのだ。二度数えてみたが、二百三十円足りない。タンスの上に目をやった。洋菓子の空箱の中に釣銭で受け取った五円玉と一円玉が放り込んである。幸運にも五十円玉が二枚紛れていた。五円玉が二十一枚、一円玉は数える気にもなれない。五百枚あったとしても五百円、千枚でも千円。そこまではないけれど。しかし一円玉で切符が買えるのかな、切符の券売機は十円玉しか入らないしな。窓口で買うのか、新幹線の切符じゃあるまいし。とにかくメシは我慢だ。





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最終更新日  2018.04.09 23:12:06
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