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カテゴリ:物語
⑭
P:おいらたちが自然に在るものであるなら意味は必要ない。しかし人間によって作られて、在るものだから意味が存在する。人間は記述によって、在るもんを認識しているのだから、意味のない在るものは存在しない。 C:そういうことだな。 A:そういわれて安心した。実は人間たちに迫害されている動物やその他の生きものを、別の宇宙の星に渡らせたいと思っている。 S:それはいい意味だ。 F:人間は食料になる生きものとペット以外は、記述による存在としてしか必要としていないから、そこに存在してもしなくても同じことなのね。 E:その異次元の星ってどんな星なの、もうすでに有機物がそこに在るわけ。 A:有機物が存在するかどうかわからないが、地球に似た星があるはずだ。 I:その星に渡った生きものたちはそのあとどうなる。 A:それはわたしたちには解らない。わたしたちは神ではないのだから。 E:そうよね、有機物は有機物によってしか生きられない。本来あたしたちはそこに関与できないはずだ。 R:おれらみんな地球上からいなくなるということだな。 C:そうだ全員だよ。 S:全員集合! F:それって人間に気づかれない。 I:気づかれないだろうな、さっきFが言ったようにこちらの存在も人間にとっては記述にすぎない。中身が空っぽになっても、どの国も公表しないさ。 P:それでもいつかはわかるだろう。 F:気づいたらどうなる。 R:石をどけたら虫けらが動き出すみたいになるんじゃないか。 C:ワシらに科学数式があるように、やつらには幻想式がある。かれらはその式に従って行動するしかない。まあ、力の関係は少しは変わるかもしれないが、やつらどうしが殺し合うというとこは、なあんも変わらんだろな。 S:もう面倒だから、人間たちのことはいい。あちきはAの意見に賛成して宇宙に出ることにする。 みんななんとなく賛成顔。 K:あたいはできない。将軍様に黙っていなくなるなんてそんなこと。お国のみんなにも悪いよ。 S:そうさな、Kあんさんはひとり残りなはれ。そうすれば国同士の関係がどうなるか面白いじゃないか。Kよ、残って核兵器のすごさを人間に伝えなよ、それがあんさんの使命、核兵器の真の姿、それもみたい気がするな。 ここで少し間があく。 P:爆発するもよししないもよし、Kの天下になるよ。 K:そんないい方されても困るよ。本当に国のみんなの顔が幸せになるのをみたいだけなのに。 R:しかしKだけになると、Kの取り合いになるんじゃないか、なんか危ないね。 I:Kだけで地球の運命を背負ってしまう。 K:あたいそんなの嫌だな。 C:そうとばかりいえないかもな、さっきも言ったとおりすぐに新しい兵器が開発されるさ、Kが天下をとれることはないよ。 K:あたいもいくことにするよ、国のみんなを幸せにできなかったことは心が痛いけど、あたいが地球にいたってなにも変わらないんだと思う。みんなごめんね。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.04.30 02:10:52
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