テーマ:同居は嫌ですか?(1161)
カテゴリ:妊娠・出産・育児
最近、私の心配事を解決させてくれるような文章に出会った。以下がその文章である。
香川大学の岩月謙司教授は、非常に面白い説を唱えています。子供が円満な人格を持った人間に育つには、平均、大人20人分の愛を受ける必要があるというのです。 ここでいう愛とは、親が我が子を愛する情=無条件の愛=子供の幸せを願う愛です。 一般に、親以上に愛してくれる存在はいない、と私たちは考えてきました。しかし、岩月教授は、実は親以上に自分のことを愛してくれる人が、世の中には存在するのだというのです。少なくとも、親と同じように自分のことを考え、無条件に愛し、自分の幸せを願ってくれる人が、平均、20人は必要だし、それが存在するというのです。 両親の愛は、量的に考えると、20人のうちの2人分なので、実は子供にとって10分の1でしかない、ということです。親が、神様のような完璧な愛で子供を愛しても、子供は10%しか愛を感じない、というのです。 神様のような完璧な親の愛でも、最高で10%で、それ以下の親が、たとえば5%だったとしても、その差は、子供にとってはわずか5%の違いでしかありません。つまり、どのような親であったとしても、親によって受ける影響は、ある面からすれば、とてもわずかだということもできるのです。 しかし、それでも親の愛が絶対に必要な理由があります。それは、親から無条件に愛された子供でないと、親と同様に自分を愛してくれる18人の大人(別に、18人に限られているわけではないのですよ。後で述べますが)を探し出すことができないのです。 つまり、「親ではなくとも、自分のことを無条件に愛してくれる人がいる」と信じて、親以外の人に愛を求めるためには、自分が人や世の中を絶対的に、無条件、信じられるなければならず、他人や世の中を絶対的に信じるためには、親から無条件に愛された経験を通して、「ああ、世の中は、絶対的に自分を受け入れてくれている」と感じる必要があるのです。 そういう質的な意味でいえば、親の愛は絶対に必要なものとなります。これを子供に与えられるのは、親しかいないからです。 岩月教授は、親の役割というのは、子供が満3歳まで、次には14、5歳までに、子供に無条件の愛を与え、子供が親を離れて、自分に愛を与えてくれる人を探しに外に出ていくことができるように育てることだ、といっています。 なぜ、親以外の人が必要なのかという理由として、岩月教授は、生物学的に見ても、親が自分の子供を理解できる可能性は、とても低いからだということをいいます。 生物学的には、親子はほとんど似ず、むしろ、兄弟のほうが自分に近い要素を持っているそうです。 そういう意味で、親が子供のことを理解しようとどんなに努力しても、親とは違う生物である、子供を理解するということ自体が、不可能だというのです。むしろ、赤の他人の中に、自分と似た人がいる可能性が高いのだそうです。ですから、子供は成長と共に、親を離れて、自分と本当に似た人、自分を理解してくれる人、自分を無条件に認めて、愛してくれる人、自分を成長させてくれる人、自分の幸せを願ってくれる人を探し、そのような愛を受けながら、自分自身も愛を育てていくようになっており、それが人間の生きる姿だといっています。 子供が幼い頃に必要な愛は、平均大人20人の愛ですが、これはあくまでも平均で、実は、必要な愛の量は、子供によってまったく違います。子供によっては、大人100人の愛が必要な子供もいる、ということです。このような子供を「心の感度が高い子供」といい、感受性が強く、非常に敏感な子供ですが、こういった子供たちが、全体の10%弱いるといいます。 最も悲劇なのは、親は心の感度が低いのに、子供の心の感度が高い場合です。 これは、兄弟で同じとは限らず、同じ兄弟でも、ある子はとても心の感度が高いのに、他の子はまったくそうではない、ということがあります。(というか、そういうことが多いだろうと思います)このような場合は、親がどんなに努力しても、子供の心を理解することができませんから、親の愛だけが絶対、と親も子も思って生活していると、子供は確実に傷つくことが多く、親も子供を理解できずに、ストレスの多い子育てになってしまうことになります。 だから、「大家族主義」が必要なのです。そもそも、親だけで子供の人格をまともに育てようということ自体が間違いなのです。というよりも、不可能なのことなのです。 大家族といっても、血縁である必要はありません。祖父母、親戚、近所の人、幼稚園の先生、習い事の先生、あらゆる大人の中に、その子を、親と同様に、それ以上に理解して、愛してくれる存在がいます。その人たちの中に、我が子を放り出さなければならないのです。しかし、それを考えると、まずは自分自身が他人や世の中を信じていなければ、それができない、ということがわかるでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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