2024/06/21(金)09:30
憲法改正2 近代憲法概念の始まり マグナ・カルタ
近代憲法の考え方に最も大きな影響を与えたのが「マグナ・カルタ」です。
ここでちょっと英国の法体系を整理してみましょう。
まず3つの大きな法体系があります。
「イングランド法」
「スコットランド法」
「北アイルランド法」
英国には単体としての憲法はなく、
過去の法律、議会決議、裁判所判例、国際条約、慣習等の集合体、
様々な法令が構成する法体系が「憲法典」だという考え方です。
1215年 英国ジョン王が英国慣習法を何度も破ったので
王に対して家臣達がマグナ・カルタを作成して強制的に署名させました。
王権を制限し、家臣や市民の権利を守る内容で
例えば、教会の自主独立権、市民の財産権、役人の不正行為禁止等
正当な法の手続き、法の前の平等がといった原則が定められたのです。
マグナ・カルタは世界で始めて国王が持つ王権に制限をかけた
「憲章(極めて重要な法令)」であり、非常に重要な意味を持ちます。
王権を制限して、臣下や市民の権利を守るために
近代の憲法には「国民の権利を保護し、国の権力を制限する」という役割があり
この起源とされるのが「マグナ・カルタ」です。
それより600年も前に、民を大事にする思想を書いた
「十七条憲法」を作った聖徳太子ってスゴイのね。