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カテゴリ:日記
今日読み終わった本は、『やさしさの精神病理』(大平健 著、岩波新書)。
ずーっと前(2~3年前)に読み始めたが、途中でなくなってしまったのだ。 が、先日、なんか本ないかな~と本棚を眺めていたら、あった。 なんでだ?? とにかく、この本が、とってもおもしろかった。 精神科のお医者さんが書いていらっしゃるのだが、まるで小説のように読みやすい。 今と昔の「やさしさ」の意味、というか、人間関係の図式とでもいおうか、が、 非常に分かりやすく書かれている。 昔は、電車などで高齢の方に席を譲るために声を掛けるのが「やさしさ」だった。 今は、年寄り扱いされたと思わせたら悪いので声を掛けない【やさしさ】がある。 そんなふうに、現代は、人を傷つけないように踏み込まないようにするのが主流で。 メールが流行るのも、電話だと相手の都合が悪いときに掛けてしまうと、 相手にも悪いから、それが【やさしさ】である。 【やさしい】人であろうとするということは、相手にも【やさしさ】を求めること。 忙しいからと電話を切る相手なら、それは【やさしい】人ではないから、 つまり、相手も【やさしい】人でいられるように、配慮していることになる。 さらには、相手が忙しいのに忙しくないフリをするようなことになっては それこそこちらが【やさしく】ない、ってことになる。 …まあ、ここまで書いてはなかったけど(~_~;)私の誇大解釈。 付かず離れずの【やさしい】関係が、時々崩れることがあって、 そういう人がこの精神科の扉を叩くらしいのだけど、 どの例の人も、別段病気でもなんでもなく、自分が何を問題にしてるのか気づいたら、 また【やさしい】世界に帰っていくのだ。 とても納得できる、また考えてしまう本であったよ。
Last updated
2007年02月24日 23時31分34秒
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