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バンナーの会社の社長に電話した。水曜日の午後4時に会うことになった。バンコクの中心部からバンナーへ向かう高速道路、なんとラマ四世通りのあたりから渋滞している。言うまでもなくバンナー交差点周辺の工事の影響だ。渋滞は予想していたが、どれだけ時間がかかるか見当がつかない。だから時間の読めるアウターリングで来れば良いのだが、頭を使うことを知らない運転手は困る。仕方なく遅れると電話した。結局、約束より15分遅れで到着した。
この会社のオフィスを訪れるのは、たしか三度目だ。高層オフィスビルの何階だったか覚えていない。エレベータ横のディレクトリィで社名を探す。人気のないフロア。オフィスのエントランスドアは開いているが、受付にだれもいない。社員15人ぐらいの会社のはずだが、ホールが妙にだだっ広い。奥から女性が出てきた。見覚えがない顔。むこうも自分を知らないようだ。名前と社長に会いたい旨告げる。ミーティングルームに通される。すぐに今度は応接室で待つように言われる。VIPルームなのだという。 しばらく待つと社長が現れた。現場では普通のオッサンだが、さすがにオフィスでは社長らしく見える。もう一人の日本人社員を紹介される。何度か顔を合わせたことはある。社長が、なぜ自分が必要なのか説明を始める。ユーザーとメーカーをコーディネートするだけでなく技術力を持ちたい、そのためにエンジニアリング部門を新設する予定だったとのこと。自分の退職は絶妙のタイミングだったらしい。ゆくゆくは自社で設計を出来るようにしたいし、工場を持つという希望もあるのだという。その中心になって欲しいという。 とすれば、自分の役割は非常に重要なものになる。社長は忙しいらしく、すぐに待遇の話になる。「今のサラリーはいくらぐらいですか?」手取りで○○万バーツです。「じゃあ、それを保証しましょう。もちろん車と運転手を付けます。」今の会社と同程度の待遇だ。しかし今は会社が適当に節税している。手取りを保証してまともに所得税を払うと、会社としての支出は相当な金額になる。本当に良いんですか。つい聞いてしまう。「あなたが来てくれれば、それ以上のメリットはあります。そう判断してのことです。」経営者として当然のことだが、それだけ期待されているのだろう。 「で、いつから来ます?強引ですよねぇ。」自分としては驚くしかない。とりあえず一晩考えさせてください。明日、ご返事します。そう言ってオフィスを辞した。通勤には全く障害がない。バンナーは渋滞がなければ市内から30分程度の距離だ。今までと同じように車が迎えにくる。サラリーも問題ない。仕事については、ずっと一緒に仕事してきた社長が来いというのだから、自分に出来るという判断なのだろう。 翌日の昼頃、社長からの電話。「もう決めたでしょ?OKでしょ?」断る理由は何もない。お世話になります。働かせてください。そう答えた。「じゃあ、すぐに準備を始めますね。」お願いします。あとはチョンブリの会社になんと言って断るか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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