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朝、起きると外は季節外れの雨が降っていた。新しい勤務先に初出勤の日。車と運転手は会社で引き渡されるから、今朝はバンナーにある会社まで、自力で出社しなければならない。新しいアパートは決まったものの、まだ引越しはしていない。BTSでオンヌットまで行き、そこでタクシーを拾うつもりでいた。しかし、この雨ではどうなるか。
どうでもいいときは渋滞を引き起こすほどゾロゾロ走るが、雨が降るとピタリと空車が消えるのがバンコクのタクシー。うまく拾えるか不安になる。朝食を食べながら、暗い気持ちになった。初日からこれだもの。ついていない。同居人のK、アパートの前で拾えば良いという。そうは言ってもチャトゥチャックからバンナーまで行ってくれるタクシーなどいるのか。ましてや雨だし。 Kは部屋を出て、すぐに戻ってきた。アパートの前でタクシーを捕まえて、駐車場で待たせてあるという。交渉してバンナーまで行くと言う。急いで支度して出かけた。Kも一緒に行き、会社の場所を運転手に説明している。午前6時半、出発。 タクシーはディンデェーンから高速に乗り、スクムビット方面からバンナーに向う。ラマ4世通りを過ぎ分岐点に差し掛かると、思ったとおり渋滞が始まった。タクシーはノロノロと走る。急に運転手の態度がおかしくなった。落ち着きがなくなり、イライラしている様子。渋滞ぐらいでイライラしていては、バンコクで運転手など務まらないはず。貧乏ゆすりをしたり、急に何か訳のわからないことを口走ったり。 しまった。この運転手、危ないオヤジだったようだ。やっぱりついていない。何事もなく会社に着けば良いが。ハラハラドキドキの初出勤。タクシーはなんとか渋滞の高速を抜け、バンナートラッドに入った。急に運転手が振り返りドキリとする。指を一本たてて、一分間という。何が一分か判らないが、怒らせると何をするかわからないから首を縦に振った。するとタクシーはガソリンスタンドに入っていく。 スタンドの一番奥、タクシーを停めると運転手は雨の中を走っていく。彼の行く先はトイレ。さきほどの不自然な行動は、トイレを我慢していたからか。戻ってきた彼は、普通に落ち着いた様子だった。無事に会社のあるビルのエントランスに着いた。180バーツほどの料金、200バーツ払って降りる。運転手は「サンキュー」と英語で礼を言い、一枚のカードをくれた。無線タクシーのカード、電話番号が書いてあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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