2010/02/18(木)07:27
手組みと完組み
今朝もまた雪。このところ雪が多いです。東京も2月に入って9日目とか。
昨日の続きですが・・・
Oyajiのホイールは「イタリアン組み」なので、進行方向は上のようになります。クイックも無い(ボルト止めなので)スリックタイヤを履くと、前後を一瞬見失います。詳しくは後日書こうと思いますが、スポークを交差させるこういうホイールには進行方向が存在することもあったりしますので、そういう場合は間違えないようにリムに片側からしか読めないようなロゴシール貼ったりします。
しかしながら前輪については前後性を気にする必要が無い場合も多いのです。あとは写真写りや見た目の問題ですね。
さて、軽くて丈夫で性能の良い完組みホイール全盛の昨今では、手組みのホイールは少数派になってしまいました。専用ハブに専用リム、専用スポークで組まれたホイールは振れも少なく見た目も非常に良いものが多いし、何よりバランスが良い。
それに比べて写真のような手組みホイールはどこと無く重々しく、レトロな感じが漂っています。カーボン製のロードバイクにはあまり似合いませんね。
でも手組みには手組みの良さもあって、ハブやリムを自分の好みで選んで組めるという楽しみもあります。
正直Oyajiの場合はド素人の自分が組んだホイールなので、愛着も多い代わりに不安もあったりします。
ところで、ホイールの組み方には大きく分けて2種類あって、ひとつは「ラジアル」もうひとつは「タンジェント」です。Oyajiのホイールのようにスポークが他のスポークと交差する組み方は「タンジェント」で、その交差のさせ方で「イタリアン」とか「JIS」とか「モランボン(笑)」などと分けられています。
完組みホイールの場合は前輪がラジアル、後輪はタンジェントという組み合わせが多いです。
ラジアルで組んだ前輪。前輪は進行方向が存在しない場合も多いです。
ラジアル組みはスポークがハブとリムを最短距離で結ぶので、軽量化できるメリットがあります。見た目もすっきりしていてカッコイイです。(スポークカードは挟みづらいですけど(笑))
しかしペダルを踏んで発生させたトルクを推進力に変える後輪は、ハブから出たスポークによってリムが引っ張られる形で推進力を生むため、ラジアル組みだとスポークが「しなる」ことによるロスが多くなるという欠点が出てしまいます。
※自転車のチェーンを介してハブに伝えられたトルクはスポークによってリムに伝えられます。もちろん、後輪の場合の話ですけど
つまりスポークによってリムは「引っ張られ」てホイールは回るわけです。
この「引っ張るスポーク」がハブから垂直にリムに向かって伸びる場合(つまりラジアル)、スポークには「引っ張る力」ではなく「曲げようとする力」が働いてしまい、効率よくリムを「引っ張って」くれない・・・・つまり「ロス」が出やすくなるわけです。
完組みホイールで「後輪もラジアル」に見えるものも多いですが、これはハブの形状に工夫があります。ハブの回転を「スポークを引っ張る力」として伝えられるように、ハブとスポークの接合部分を工夫しているのです。
後輪
毎度拙い絵ですが・・・・(笑)緑の矢印は回転方向を表しています。
左の絵はハブの中心から放射線状にスポークが伸びています。
このような組み方をするとスポークにかかる力はオレンジの矢印のようになってしまい、スポークを曲げようとする力に変わってしまいます。高トルクをかけるとスポークは折れ、走行不能となります。
右の絵はハブの回転をスポークを引っ張る力に変える組み方です。これなら効率よくトルクを伝えることが出来ます。ラジアルに見える後輪やスポークの少ない後輪は大抵こんな風になっているのです。(勿論、例外もありますよ)
お心当たりのホイールをお持ちの方、確認してみてください。
完組みホイールはこのように特殊な接合をするので、専用のハブとスポークの組み合わせになるのです。
とまあ、偉そうに言っているわけですが、素人Oyajiの言っていることですから話半分で聞いて下さいね(笑)
で、手組みと完組み、どっちがいいの?
どっちもイイです。それぞれにそれぞれの良さがありますよね。