レッドソニア
「レッドソニア」(1985) RED SONJA監督 リチャード・フライシャー製作 クリスチャン・フェリー脚本 クライヴ・エクストン ジョージ・M・フレイザー撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ音楽 エンニオ・モリコーネ出演 ブリジット・ニールセン、アーノルド・シュワルツェネッガー ポール・スミス、サンダール・バーグマン、アーニー・レイズ・Jr ロナルド・レイシー、パット・ローチ 本編89分 カラー シネマスコープサイズ アーノルド・シュワルツェネッガーさんが英雄コナンを演じた作品では「コナン・ザ・グレート」(82)と「キング・オブ・デストロイヤー コナンPART2」(84)があって、同じような感じでシュワちゃんが出てるけれど、それらとは関係がない本作「レッドソニア」(85)。 私がこの映画を知ったのは28年も前の金曜ロードショーでの放送(1989年7月)です。VHSビデオに録画して当時は何度も見ました。 日本公開は1987年12月ですが、それより前に「キング・オブ・アマゾネス」のタイトルでビデオ発売されていたらしい。アマゾネスって女だけの部族なのにキングがいるのはおかしい、というツッコミはやめとくとして、映画「キング・オブ・デストロイヤー」に便乗した安っぽい命名だったのだろうか? 1987年頃っていうと、シュワルツェネッガーさんが「ターミネーター」(84年 日本公開85年5月)でその長い名前を映画ファンに知らしめ、つづいて「コマンドー」(85年 日本公開86年2月)と「プレデター」(87)のヒットで爆発的人気があった時期です。本作「レッドソニア」の公開がビデオ発売のあとになったのは、商業価値があるのを知った配給会社が遅ればせながら買い付けて劇場公開したのかもしれない。 昔々の大昔、力のある者が支配する世界。悪の女王ゲドレン(サンダール・バーグマン)は万物を創造したという強大な力をもつ聖玉(タリスマン)を奪い、その威力をもって近隣諸国を侵略していた。 ゲドレンに村を焼打ちにされ、家族を殺されたレッドソニア(ブリジット・ニールセン)は剣の修業を積んで免許皆伝をうけ、老師より名剣を授けられる。その時、カリドーと名乗る旅の戦士(アーノルド・シュワルツェネッガー)がゲドレンに襲われて瀕死のソニアの姉を運んでくる。姉は「聖玉タリスマンを奪い返して闇に葬らないと世界が滅亡する」と言い残して死に、ソニアは聖玉奪還と復讐のために女王の城へと旅立つ。 ソニアは旅の途中、女王の軍に滅ぼされた都の王子ターンとその忠臣ファルコンと出会って道連れとなる。目的地の城へ着いたソニアは異常な現象を目の当たりにする。聖玉の力が増大したことで大地は地割れがはしり、天には雷鳴と稲妻が。聖玉を野望に利用しようとした女王だったが、手におえなくなっていた。カリドーたち仲間の助けを得て城に潜入したソニアは、ついに女王と因縁の対決をむかえる。 男はみんなケダモノと思っている男嫌いの女戦士ソニアが、何かと助けてくれる旅の戦士(シュワルツェネッガー)に、しだいに心惹かれてゆく。男のほうも、自分と互角に戦う強さを持つ女戦士に惹かれてゆく。 村を焼かれ家族を殺されたヒロインが仇敵の女王に立ち向かい、ついに復讐を果たすヒロイックファンタジー映画。「コナン・ザ・グレート」のような重々しさがなく、お手軽なB級映画的作品です。主人公の女戦士があまり強そうな感じがしないのが欠点かと思うけれど、このような古代の剣戟がけっして嫌いではないので、最後まで楽しく見られました。 主人公のレッドソニアを演じるのは、当時はスタローンの奥さんだったブリジット・ニールセン。「ビバリーヒルズ・コップ2」(87)や旦那のスタローンと共演の「コブラ」(86)などがあったけれど、この1980年代限定的、代表的な、硬質な印象の女優さんです。