挨拶のハグとキスが苦手な私
先日、久々に夫の従姉から電話があり、連休休暇を使って私たち夫婦を訪ねる予定だったのだが、事情があって訪問を延期しなくてはならなくなったという内容であった。私と彼女の間柄は義理の親戚という関係にあたるというものの、割と親しい仲なので、今回の訪問は楽しみにしていただけに残念。、、、と言いつつも、彼女がこちらに遊びにやって来るという話を聞いた時は、頭の中で「やる事リスト」をあれこれ挙げては、これから待ち受けているであろう忙しさに一人で大騒ぎしていたという始末である。その「やる事リスト」も、まずは使用していない部屋をゲストルームに変え、そして、そのすぐ横の浴室をゲスト用にアレンジし(石鹸やシャンプーなどを新調したり、ゲスト用のタオルやトイレカバーなどを備えたりなど、、、。)、ゲスト用のグッズ(例えば、スリッパなど)もちゃんと揃えて、部屋も念入りに掃除して、それから当日は、彼女が大好きなBento(ベントー:ここで言う弁当は、天ぷら、照り焼きチキン、寿司などが盛り付けられた、アメリカの日本食レストランなどで良く見かけられるもの。)を作り置きして、空港に迎えに行って、、、などといった具合で、ゲスト慣れしていたらここまで焦らなくてもいいんじゃないかと思う程度の準備ばかりである。それだけではなく、どのような手順で上記のタスクをこなしていくかということまで頭の中でシュミレーションを繰り返していたのだが、心配性の上に未だにアメリカの習慣に慣れずにいる私は、空港で再会した時のハグや頬っぺたにキスの場面まで頭で練習していたくらい、、、。(ーー;)それほどハグや頬っぺたにキスの挨拶を未だに苦手としているのだが、困ったことに、義理の家族や親戚、または友人や知人などと久々に会う時は特に、このハグやキスの儀式から逃れられないのである。(ちなみに、義理の家族や親戚は、ハグやキスつきの挨拶は寧ろ当たり前としているメキシコ人、もしくはメキシカン・アメリカン(メキシコ系アメリカ人)なので、尚更、避けて通れない儀式なのである。)ハグやキスも礼儀のひとつということは頭では理解しているつもりだが、それでも、ハグとキスが上手く出来るかどうかなどとやたら緊張してしまうといった具合、、、。ハグとキスの何が苦手かと言うと、やはりそのタイミングだと思うのである。ハグに関しては、「相手がハグをしようとしていたのに、私は握手をするつもりで手を差し伸べてしまった」という失敗経験もあるのだが、それは、『初対面の時にはハグやキスをしない』というどこかで読んだメキシコ紹介本に書かれていた文章を鵜呑みにしたせいだと今でも思っている。特に初対面となると、ハグが妥当か握手が妥当かなどと今でも考えてしまうのだが、相手の動きを秒単位で読まなくては、タイミングを図らなくてはと思う時点で、やはりハグ技を習得出来ていないと実感するばかりだ。一方、頬っぺたにキスとなると、タイミングが合わずお互いにキスする方向を定められずに戸惑いはしないか、私の口紅が相手の頬っぺたについてしまわないか、ふいに唾液がついてしまわないかなどと、単に考え過ぎなのかもと思いつつも、色々気になるところ、、、。そんな私の今までの失敗談を以下に載せていきたいと思う。失敗1:初対面の義理の伯母が『はじめまして』と近寄ってきた時、初対面だからやっぱりここは握手だろうと思い、握手の手を差し出したのだが、後で、夫から『伯母はあの時ハグをしようとしていたのだよ。』と聞き驚く。失敗2:初対面の時にお互いに同意したかのように握手を交わした義理の伯父と再会した時のこと。私が握手の手を差し伸べたと同時に、伯父はハグの体勢で両手を差し伸べてきたので、急いでハグの体勢に直したのだが、その時、伯父は伯父で、私の握手しようと差し伸べた手を見た瞬間に握手の手に切り替えたので、暫くお互いにすれ違ったままになってしまった。失敗3:子どもが『さよなら』と言いに来たので、ハグをしながら『さよなら』と言い返したが、その子が私の頬にキスをしようとしてきたのを悟れず、頬を傾けてキスを待たなかった私に、周りの親戚たちが『その子、あなたの頬にキスしようとしていたのよ。』と残念そうに言われた。いやはや、私ってこんなに空気が読めない人だったっけ?と思うほどの失敗談ばかり。昔は、スキンシップ先進国の人たちとの付き合いが長くなればなるほど、ハグやキスの挨拶も自然に身につき上達するだろうと思っていたものの、そう思い込んで10年以上経った今でもスキンシップの技に進歩がないのが、今の私の悩みである。