漫画における擬声語と擬態語:Sound effect
『ポケモン』、『幽遊白書』、『Dragon Ball Z』など数々のアニメがアメリカのテレビでも放映されたかと思えば、あの『少年ジャンプ』や様々なジャンルの漫画単行本などもアメリカ進出を果たした。アメリカ進出を果たすからには日本語から英語へ変換をする必要があり、「翻訳」というものが架け橋の役目を果たすことになるのだが、ただ日本語から英語に訳すだけという単純な作業では翻訳にはならない。アニメや漫画の世界における翻訳も例に漏れず、日本の駄洒落や日本独特の文化や表現、または日本では一般的に浸透している概念なども、いかにアメリカの文化を配慮して上手く訳すかが焦点になってくる。アニメの翻訳が完成するまで1エピソード(30分もの)につき大抵5日~数週間もかかったり、漫画の場合は単行本一冊につき2週間ほどかかったりするそうだが、恐らくアメリカの視聴者や読者にも理解しやすくかつ楽しんでもらえるように工夫・配慮するという事に時間が掛かるからであろう。~漫画特有の擬態語・擬音語はどう訳する?~“Tuf!”, “Tap!”, “Cof!”, “Tip Tap”, “Fssssht”, “Whap”……ここに色々書き並べてみたが、これらはアメリカのコミックに見られる効果音である。最近これらの効果音を調べる機会があり、『X-MEN(エックスメン)』や『SPIDER-MAN(スパイダーマン)』、日本からやってきた漫画『Dragon Ball 』や『Di Gi Charat(デ・ジ・キャラット)』などのコミックを眺めていた所、見覚えのないような効果音表現まで登場してきてわくわくしてしまったほどだ。ちなみに最初に登場させた効果音を少し説明すると、、、☆“Tuf!”, “Tap!”, “Plop!”=台や木などから飛び降りて着地した音。日本語では「スタッ!」、「タッ!」、「ストン!」など。☆“Cof!”=咳。日本語では「コンコン」や「コホッ!」など。☆“Tip Tap”=コンピューターのキーを叩く音。「パチパチ」など。☆“Fssssht”=自動ドアが閉まる音。「シューッ!」など。☆“Whap”=殴る音。「ガッ!」、「バコッ!」など。以上が擬音語であるが、アメリカ漫画特有の擬音語も文字を眺めているだけで、アメリカ人の耳にはどんな風に音が聞こえているのか手に取るように分かるようで面白い。一方擬態語の方はというと、 ☆Slip=「ずるずる」と滑り落ちる。☆Twitch=「ピクリ」と耳が動く。☆“Snff, snff”=匂いを嗅いでいる時の表現。「クンクン」。☆Flash, Glimmer=目が光る。「キラーン」、「キラリ」など。☆Drench=海に入って「ぐっちょり」濡れる。☆Pitter, patter=「たったったったっ」と走る。☆Scrub=「ゴシゴシ」床を磨く。☆Swip=「ひょい」と持ち上げる。、、、などなど、擬態語に該当する英語が殆どないので、「ずるずる」=「滑る」=Slip、「ぐっちょり」=「濡れる」=Drenchなどと代わりに動詞を使っているケースが多い。また、アメリカの漫画よりも、日本からやってきた翻訳版漫画に出てくる擬態語の数の方が断然多かったということも特筆すべき点だろう。このように擬態語・擬音語からして大きな違いが見られるが、英語版と日本語版を見比べてみるのも色々な発見があって面白いと思うのだ。参考文献:*Marvel comic “SPIDER-MAN”*Marvel comic “X-MEN”*Viz communications,Inc. “Dragon Ball”*Broccoli books “Di Gi Charat theater~Deijiko’s summer vacation~”