スーパーにて

ぐだぐたした休日だった。 唯一、家を出たのは近所の大きめのスーパーに行ったことだ。 エントランスというべきなのだろうか、入り口を入るとガラガラと音が鳴った。 ぱっぴを着た後姿の店員の肩越しに行列が見える。 抽選会だった。 ちょっと大き目のスーパーは開業当初は大抵高級感をアピールする。 でも、結局は地元に回帰する。 品格だけでモノは売れないのだ。 その抽選会は、商店街みたいだった。 テキトウに食料品とかをカートに入れてレジに並んでいた。 普段、スーパーにこないものだから、時間のかかるレジに並んでしまった。 コンビニとは雰囲気がやっぱり違う。 周囲を見ていると若い夫婦連れとかが多かった。 子供も親の腰の高さまで身長がないから、レジに入るとそっくり収まってしまう。 でも、子供達のはしゃいだ声だけは聞こえる。 そして、嬉しそうな親の顔をみる。 ちょっと、同じ高校の下級生に似ていた。 ああ、そうか、俺も29歳なんだよね。 当たり前のことを思い出す。 最近、当たり前のことを思い返すたびにびっくりする。 友人が係長になったとか、結婚したとか、子供ができたとか。 僕は未だに会社になじめないというのに。 やっと、僕の番が来てお金を払う。 コンビニより大分、安い。 残業しても、コンビニでしかものを買わなかったら、結局同じなのかな。 って、ウチの会社は残業代はでないけど。 当たり前のことには、やっぱり、驚いた。 ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎日々の「なんだかなー」』まで