デイオール オムに行ってみた。
興味のない人には、ちっとも興味がないだろうが、ディオール オムのデザイナーが交代する。エディ・スリマンさんから、クリス・ヴァン・アッシュさんにである。(モードプレスの記事)ディオールとは、あのクリスチャン・ディオールで、ディオール・オムとはそのオム、フランス語で男性のラインのこと。だから、とんでもなく高い。買ったことない。っていうか、買えもしない。僕は一着も持ってません。高いもん(苦笑)というか、きっと、似合わない気がしたんだよね。だって、めちゃくちゃ細いもん。以前に、全身がディオール・オムで固めてる人がいたけど、その人はとても細くって、似合ってた。ただ、まあ、平均的日本人の体型にはあわないんじゃないかな。とまあ、持ってないし、きてもないくせに、僕はこのブランドが嫌いだった。影響力が強すぎたのだ。多くのブランドがこのディオールオムの後追いをしていた。モッズすたいるとか、なんとか。こういうコンセプトとかについては僕は詳しくない。でも、一つはっきりしてることがある。メンズのトレンドのシルエットを細身にしちゃったのだ。だから、肩幅があるわたしから、トレンドはどんどん離れていった。でも、この間、ふらっと、ディオールオムの大阪店に立ち寄った。買わなかったけど、試着しまくった。結果:やっぱり、いいブランドです。まず、大阪店のオムの店員さんは本当に洋服が好きな方で、僕のような人にも親切に対応してもらいました。コンセプトとか、つくりや縫製。そして、何が新しいかということ。そして、びっくり。ディオール・オムのホンモノは着てみると、すっごい動きやすかった記憶があります。窮屈は感じなかった。でも、シルエットは細かった。凡百のブランドが細い=窮屈なのに、これはスゴイ。そして、もう一つスゴイのが、スーツよりもコートが安かったこと。合成繊維とウールをあわせた繊維の表地に、ちゃんと裏地もついてた。軽くって、皺になりにくいそざいだった。勿論、試着するとカッコイイ。これが、だいたい\180,000-だった。いや、高いんだけど。でもね。スーツは上だけで\220,000-とかするんだよ!!店員さんの説明によると、ディオールオムの原料費で一番高いのが毛芯であって、スーツはそれを多用するからものすごく高くなるのだそうです。なんでも、違う硬さの芯を四枚かさねたりしてるって。しかも、その四枚も同じ形じゃなくって、微妙に変えてるとのこと。ちなみに毛芯とはスーツの胸とかのカタチを整えてシルエットを出したり、着易くするために表地と裏地に入れてるものです。そんなこだわりがあるから、ディオールオムはあれだけ細くても、稼動範囲が広いし、無理な皺が少ないのでしょうか?パターン(デザイン画を立体化する過程のこと)から考えてるんだろうケド。一方で、コートは表地と裏地だけでつかわない。そうだよね。別に胸の形とかまでととのえないもんね。だから、コートが安くなるんだって。まあ、このコートは軽くてふにゃってしてるってのも特長だったんだけどね。へぇってびっくりした。そして、ディオールオムっていうブランドは原価に利益をかけて作ってるんだなって思った。だって、僕らのイメージだとコートはスーツよりも高いよね。そしたら、普通、原価はコートが安くても、売値はコートを高くする。だって、それで売れるもん。大抵のブランドはきっと、そうじゃないかな?でも、ディオール オムはそうしてない。ある意味、愚直といえるし、適正価格なのかもしれない。やっぱり、すげえよ。と、いうことで、デザイナーさんがかわってもクリエーションと実用性を両立してほしいものです。そこに、安価を求めるのは消費者のわがままでしょうね。ちなみに、心斎橋のディオール オムはクリスチャン ディオールの地下にある。ディオール オムの店員さんのいい説明を聞いて、僕はいい気分で一階に上がった。そしたら、いかにもって感じの若い女性と、いかにもって感じの金持ちのオヤジがいた。愛人か、同伴出勤なのだろう。その風景を切り取って、「ミナミの帝王」のジャケットに使っても不自然はあるまい。きっと、彼らは洋服を買うのも、芯がどうのとか、言わないんだろうな。なんだか、僕はさっきの\180,000-のコートをオヤジに\350,000-くらいで売りつけたい気分になった。隣の女性が「かわいい」とでもいえば買うにちがいない。※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎着飾り・買い物』まで