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2022年06月11日
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カテゴリ:記録
​   大正デモクラシーの投影 映画『わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯-』の知識人220611

 紹介をうけていた映画『わが青春つきるとも-伊藤千代子の生涯-』を観せてもらった。 二人の知識人が登場する。歌人の土谷文明と安井てつ子・東京女子大学長。

 土谷文明は、千代子の生い立ちを語る場面で登場し、二度目は収監先を訪ねて千代子を翻意させる場面で紹介されていたと、記憶。
 安井てつ子は記者団の質問をうける。「お宅の学校から、多数の逮捕者を出しているが?」と問われ、「たまたま多いだけで、自由な校風のもと、<学生の自主性がたいせつ>」という趣旨の談話を語る姿。

 観る前に、土谷の残した詠歌、三首が記録されている点をネットで読んでいた。
 「こころざしつつたふれし少女(おとめ)よ新しき光の中におきて思はむ」
 「信濃なる故里の山に教え子を思い出す日は泣かまく思う」
 「むかし見し高島小学校を今見れば木垂(こだ)るさくらも年古りにけり」。
 
 安井てつ(1870~1945)について、次の記載が読める。
 「東京女子大学創立の時、49歳で学監に就任、その5年後に新渡戸稲造の後を継いで第2代学長として、1940年までの17年間その任にあたりました」。
 大学側が掲載している。映画は実に昭和4年当時の実話。安井にとって学長就任7-8年目の時ということか。

 大正末-昭和初期の治安維持法施行下。
 厳密な考証と研究過程を問うところではあるも、<大正デモクラシーをくぐり抜けたリベラリスト>の位置と存在を、見る思いがした。
 実に難しい局面。政治のなかに「軍に歯止めの勢力」「軍に忖度する勢力」。人格が良識と知性を失ったとき、聴く耳をもたなくなった。実に人類に対する尊厳も見失う。

 「教え子を戦場に送る、な」。それが観念ではなく、投影される思い描いたシーンであった。





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最終更新日  2022年06月13日 10時49分44秒
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