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カテゴリ:うつくしいものかわいいもの
やっと行ってまいりました。 もうこんなに騒がれて、人いっぱいは仕方がない。 けれど、なるべく少ないときに。と、お盆明けの16日=夏休み最後の日に決めた。 (ぱくぱくのすがる手を振り払えば、いつだって平日午前中が可能なヒマダムであるが。若冲教えたの自分だし。ここは、一緒に行かねばなるまい。) 雨もざーざー降って、いい感じ。とりやめにする御仁もいることだろう。と期待。 9時開館と同時を目指したが、少々遅刻。 思ったより少ないぞ! にんまり。 5つに分かれて展示。 目玉の若冲は「エキセントリック」と題されている3つめ。 皆の熱気は頂点に!人が動かなくなり、 「移動してください」と係員が注意していた。 一番人気は「タイルの象さん」 いえ、タイル?かと見まごう六曲一双の屏風。鳥獣花木図屏風 屏風1枚につき43000という途方もないマス目を使って モザイクのように描かれてあるのだ。(枡目描き) モザイクの鳥さんもどうぞ。これには、若冲の落款がなく、若冲だ!いや、若冲デザイン若冲工房作だとかいろいろいわれているらしい。 でも、一目見てプライス氏は若冲作と確信したらしい。 若冲という人はミスをすることがあったんだろうか?と考えてしまいます。 「失敗したものには若演の判を押しているのではないか…」 なんて冗談も言えてしまうくらい いつも完璧なんです。とも、おっしゃっています。 そんな完璧な若冲の作品の中で、制作風景を思えば気の遠くなる本作ではあるが、 いつもの恐ろしいほどの緊張感ではなく、ゆるいといおうか、ユーモラスといえばよいのか。。。 幼稚園児くらいの女の子が一生懸命鳥さんの名前をたずねて物語をつくっていたり、本当にタイルで浴室を作ってしまったり、そんな楽しみかたができる傑作。 ま、それはそれ。 わたしの今日の若冲は鶴図屏風作品説明が誘導したかも?「鶴が卵になっちゃうの」 白と黒。紙と墨。筆一本。恐ろしいまでの力量なのに、それより先にこの「まるんとしたフォルム」におもわず「かわいい」あたたかみを覚えてしまうのだった。 その先の展示の鳥獣花木図屏風に気をとられるせいか人がまばらで、間近も遠くからも心置きなくじっくり堪能。 圧倒的な色と構成と力でこちらに迫ってくる≪動植綵絵≫に慣れた目にとても新鮮。 独壇場の筋目描きもバッチリ! 初めての出会いゆえ、衝撃は若冲以上だったのが 猿猴狙蜂図/森狙仙(そせん) 梅花猿猴図/森狙仙 狙仙といえば猿。猿といえば狙仙。 プライス氏は言っている。 狙仙は、本当は猿なのではないか? 猿が人間に姿を変えて画を描いているのではないか… 狙仙の絵を見ると、そんな風に思ってしまいます。 そして、この「猿猴狙蜂図」を見つけたとき、 やっぱり、そうに違いない! と私は確信しました。 こんなに手早いタッチで仕上げながら、 スズメバチを捕まえてやろうというワクワクした様子 でも、刺されるかもとちょっとビクビクしている様子 など、いたずら好きな小猿の表情が生き生きと描かれていますよね。 緊張のあまりしわの寄った小さな足先まで、 こんなふうに表現できる画家がほかにいるでしょうか? この絵はいつでも私のお気に入りです。 前回の東京国立博物館訪問があまりに時間がかかりすぎ、 おもしろかったけどくたびれ果てたぱくふるは、少しそこから学んで、 一度さーーっと見て、二順目に好きなのをじっくり見ることに。 まあその通りにはできなかったけど、最後まで疲れ果てず、 元気を残してたっぷりたのしむことができた。 (一日はまだまだ始まったばかり) なんでもかんでもじっくり派のふるんより、初心者ぱくぱくが選んで上手に観てた。 光の変化でこうも違うか?!という実験的展示室あり、 好きな絵師=酒井抱一、興味深い絵師=蕭白あり 本物だけしか置かない美術館のありかたに一石を投じる、プライス氏の姿勢。 本物と疑惑ありの並列。 作品は弟子。落款は師匠。 作品はオリジナル。でも作者名は別人。 いいものはいい。名前じゃない。そんなプライス氏の真の鑑賞眼。心意気。 重たい図録のほか、Tシャツまで買って大満足の絵画展。 期間限定の若冲と江戸絵画展コレクションブログをぜひご覧になってください。 ジョー・プライス氏による出展作品109点すべての解説や美術展に関する情報を更新←すご!!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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