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邂逅としか思えないシチュエイションに呆然とした。別々の小説の二人が話をしている。東三千子だ、、、そして四騎忍だ、、、そんな莫迦な。
只の読者の俺がもうその瞬間、本の中に入ってしまうことに抗えない。余りにも魅力的で陶然として、文章を追い続けることだけに集中してしまう。 今この瞬間、この小説が読めなくなる事があれば物凄い憤怒に取り憑かれ悪鬼羅刹阿修羅になるに違いない、どうかどうかこのままこの小説を読みきらせてくださいとか、誰かに祈っているようだった。 四騎忍は「地球樹の女神」という小説の主人公で、民営CIAという巨大情報企業を興した天才異能力者で、反社会的なふてぶてしさ、14歳という少年特有の瑞々しさ残酷さが、彼の孤独さを更に強化していた。ついでに言うと母性に飢えているし。 東三千子は「幻魔大戦」の主人公、東丈の姉だ。大友克洋が起こした角川アニメ版の三千子はそれほど的外れではないと思う。17歳の東丈が有史以来最大レベルの途轍もない超能力者として覚醒しても、三千子の静けさは変わらない。 その二人が邂逅している。夢のようだ。平井和正の夢世界に招待されてしまったのだった。 これ以降深刻なネタバレあり。 引き返すなら今のうち。 永らく幻魔大戦は瞑っていた。 もうこの小説は紡がれる事は無いのだろう。だが、動き出してしまった。読者としてこれ以上の僥倖はあろうか。 もうほんとにネタバレ。 物語は四騎忍と杉村由紀を逢わせる。 杉村由紀は32歳で、美貌の才媛で、国際学者だかなんだかの秘書だったのに、17歳の東丈に心酔して彼の押しかけ秘書になったのだった。 その東丈が失踪してしまい、彼女は風前の灯火になっていた。小説中ではそのことに余り触れられていなかったが、自殺してもおかしくないくらい彼女は弱っていたことが明らかになる。狂気のヤクザ矢島に彼女が襲撃される歴史を改変すべく、四騎忍が現れた時は、もう俺は文章を読む以外何も出来なくなってたよ。 ここまで書いといてなんだが、やはりお勧めはしないのだった。しかもこの小説は、本屋に並びません。特殊な購入方法で手に入る特典なのだった。 ふ~ 自慢って奴? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.01.17 23:06:25
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