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2008/05/10(土)21:58

「豚キムチにジンクスはあるのか」 絲山秋子

エッセイ(34)

料理エッセイもいろいろあるけれど、絲山秋子さんのこの本はすごいです。 料理エッセイにありがちな、食へのこだわり。家族への愛情。友人とパーティー。果ては食糧自給率とか、残留農薬問題、諸々の食に関する情報は、ぜーんぶ蹴飛ばしましょう。 これを食べようと心に決めたが最後、こうしてみようああしてみようと、作って作って作って作る。その次は食べて食べて食べて食べる。 まさに、突撃玉砕型料理です。 読み手の私まで、一緒になって作って食べて突撃、格闘、もうお腹いっぱいと、へそ天で寝てしまいたくなる強力なエッセイでした。 でも、読んで楽しいだけじゃありません。 たいていの主婦なら、かなり実用的な面もあると感じることでしょう。 ヘナッポとか、サンバルとか。 ふふふっ、何のことかわからないでしょ? それは読んでのお楽しみ。 一つだけ難を言えば、文章全体の雰囲気が、少々はしゃぎすぎかな? おもしろくしようという意識が過剰に働いて、なんだか白けてしまうところがありました。 たとえばテレビのバラエティー番組で、久本雅美がよくキャーキャーはしゃいでるけど、ちっとも楽しそうじゃないってことあるでしょ?(そう感じてるのは私だけかな?) もっとテンションを緩めて書いても、ぜったいこの本はおもしろいはずですよ。       

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