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2010.01.05
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カテゴリ:書籍

ブラックホール戦争

ブラックホール戦争


 スティーブン・ホーキングは、一般相対論の立場からブラックホールに吸い込まれた情報は永遠に失われると論じた。これに対して著者サスキンドは情報が失われることはないという論陣を張り、物理学の根本原理をめぐる20年にわたる論争が始まった。

「情報のパラドックス」という問題をめぐって、本書の著者である理論物理学者のレオナルド・サスキンドは、車椅子の物理学者として有名なスティーヴン・ホーキング*と 20 年以上にわたって論争を続けた。本書はその理論的対決の物語だ。


「情報のパラドックス」とは、ブラックホールに落ち込む粒子の情報は永遠に失われるのかどうかという問題である。

ホーキングは、一般相対論の立場からその情報は永遠に失われると論じた。これに対してサスキンドは、「情報の保存」は「物理法則の時間的な可逆性」という形で物理学に深く刻み込まれていて、ホーキングの主張は物理学の土台に爆弾を投下することに等しいとして、ゲラルド・トフーフトとともに情報が失われることはないという論陣を張った。



20 年以上に及ぶ論争から「ブラックホールの相補性」や「ホログラフィック原理」といった新しいアイデアが生まれ、それらは今では世界中で盛んに研究されるにいたっている。


本書は、ホーキングを糾弾するような内容ではない。

サスキンドはホーキングの理論とカリスマ性に敬意を表しつつ、量子論を守る立場から、あくまで論理的に、かつ一般読者にも分かりやすいように比喩や繰り返しを使って説明してくれる。

やや長い内容ではあるが、本書を読めば、量子論と一般相対論をいかにして調和させるのかという、物理学の最新の問題を垣間見ることができるであろう。

量子論と一般相対論は物理学のもっとも根本的な理論でありながら、互いに両立できない状態が続いている。ブラックホール戦争は、ふたつの理論を調和させることを目指した新しい物理学の基本的な枠組みをめぐる、熾烈な格闘だったのだ。


■メーカーサイト⇒レオナルド・サスキンド/林田陽子=著/日経BP社/日経BP出版センター/2009年10月発行 ブラックホール戦争

■販売店は こちら










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最終更新日  2010.01.05 17:20:29
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