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著者は、東京・八王子で北原国際病院を経営する北原茂実さん。早くから今日の医療崩壊を予想し、「世のため人のためより良い医複をより安く」「日本の医療を輸出産業に育てる」を経営理念に、入院患者家族の院内業務への参加、ボランティアに病院内で使用できる地域通貨「はぴるす」発行、駅ピル内の総合クリニックで「ワンコインドック」を実施するなど、次々斬新な取り組みに挑戦している。 北原さんは、「医療費を『お金』だけで考えようとせず、むしろ貨幣経済から切り離す大胆な発想が必要」(30 ページ)、「医療の現場が荒廃し、医療崩壊が叫ばれている原因は、一にも二にも財源不足」(61 ページ)と指摘し、医療を成長産業として捉え、「『医療法人』という法的な縛りをなくして医療機関の株式会社化を認めていこう」(91 ページ)と提言する。 日本では様々な制約がある中で病院改革を進めている北原さんだが、本書後半ではカンボジア進出のことについて記されている。「日本の医療法人には、投資や海外進出が認められていません」(168 ページ)という事情で、NPO 法人日本医療開発機構を設立し、カンボジアでの医療活動を行っている。「私は『施し』ほど危険なものはないと思っています}(165 ページ)という信念に基づき、内戦で荒廃したカンボジアの医療体制を、まずは医療従事者を育てることから始めているという。 医療を株式会社化するのには抵抗感がある人も多いだろう。営利企業が病院を経営することになれば、医療サービスの提供に偏りが出るかもしれないという懸念もあるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.04.18 22:15:12
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