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カテゴリ:書籍
著者は、NEC、マッキンゼー、アップルコンピュータの人事部長を歴任してきた小杉俊哉さん。9.11 や東日本大震災といった未曾有の事件を契機に、新しいリーダー(リーダー 3.0)が求められていると主張する。 小杉さんは、リーダーの段階的変遷を以下のように整理する。 小杉さんは、「リーダーシップとは、部下がいようがいまいが発揮できるものである」(80 ページ)という。それは、「一人ひとりの社員がどのように仕事に向き合うかという行動規範を示している。そして、それは一言で言うと『自律』というととだ」。 小杉さんは資生堂を例に挙げ、「人は与えられた指標に従って動く」(148 ページ)と指摘する。つまり、「評価が戦略商品の売上高でなされれば、そう動くし、顧客の満足度で計られれば、そうなるということ」だ。リーダーシップ 3.0 の時代において、社員の目標管理をどう置くかは重要なテーマだ。 小杉さんは、リーダーシップ 3.0 では「禅」の思想が重要な役割を担うと解説する。すなわち、「禅とは、無の追求であり、自分の地位、関係性、過去、未来にも左右されず、ありのままの自分で今を生きることを追求する」(171 ページ)ので、リーダーシップ 3.0 向きなのだという。永平寺をとりあげ、760 年続くマネジメントがリーダーシップ 3.0 に通じるものがあると指摘している。 小杉さんは、リーダーシップ 3.0 に必要な要素として以下の 9 つを挙げる。(198 ページ) バブル崩壊後、アメリカに留学して大学やスクールのエグゼクティブコースを受講する日本人が少なくなったが、一方で「日本人ほど、人の話をちゃんと聞く民族はいないのではないかと感じることもある」(252 ページ)とも述べている。宗教や人種的なしがらみのない日本人は、グローバル・リーダーに向いているというのだ。 最後に小杉さんは、リーダーシップ 3.0 の定義は「自らの意志で自律的に付き従う者がいるということである」(263 ページ)と締めくくっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.08.17 20:26:16
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