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カテゴリ:書籍
著者は、サッカー日本代表の長谷部誠選手。2010 年に南アフリカで開催されたワールドカップでは、26 歳にしてゲームキャプテンを務め、4試合全てに先発出場し、ベスト 16 まで勝ち進んだ。 長谷部選手にとっての「『心』は、車で言うところの『エンジン』であり、ピアノで言うところの『弦』であり、テニスで言うところの『ガット』」(9 ページ)だという。心を整えるため、毎日 30 分、意識して心を鎮める時間を作っていたり、一人で温泉につかっているという。27 歳の若者とは思えない老成した発言と行動だ。 「お酒は楽しむもので仕事の愚痴を言うためのガソリンじゃない」(31 ページ)と言い切る。また、「よくお酒が入ると相手の本音が引き出せるとも言うけれど、そういう考え方も好きじゃない。お酒の力を借りないと本音を言い合えないという関係がそもそも嫌だし、そんな状態で出てきた本音に価値を見出せない」(32 ページ)とも言っている。長谷部選手と同じ考えを持っている若者は少なくないだろう。年長者として、この考えは大切にしたい。 長谷部選手は、「アスリートにとって「自信」はガソリンのようなものだ」(86 ページ)と語る一方、上から目線の発言は絶対にプラスにならないと注意する。なぜなら、「自信が生まれたからといって偉くなるわけでもないし、ましてや成功や勝利は自分ひとりの力で勝ち取ったわけでもない」(87 ページ)だ。 20 代半ばの若者が、なぜこれほど老成した考えを持てるのか――答えは最終章にあった。 あとがきで、本の題名について「僕がなぜこのように『心を整える』ことを重視しているのかというと、僕自身、自分が未熟で弱い人間だと認識しているから」(232 ページ)と記している。いやいや、長谷部選手の 2 倍近い人生を送ってきた立場から言わせてもらうと、弱いことを認識している人こそ最強ですよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.09.24 20:39:20
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