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2014.11.30
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カテゴリ:書籍



首都水没

首都水没


 地震対策と洪水対策とは根本的に異なります。(238ページより)

著者・編者土屋信行=著
出版情報文藝春秋
出版年月2014年8月発行

著者は、東京都で道路、橋梁、下水道、まちづくり、河川事業に従事してきた土屋信行さん。その豊富な経験と、江戸時代からの歴史を紐付け、水害に対する首都の脆さを説く。東京都民としてゲリラ豪雨の時に地下鉄が水没するのを経験しているので、たいへん身近な問題だ。

冒頭で、「ゲリラ豪雨が山の手台地にやってくると、水害を起こす可能性がある」(16 ページ)と指摘する。武蔵野台地を流れる神田川や石神井川などは勾配が急なため、降った雨がすぐに集まってきて、短時間に水位が上がる。「ゲリラ豪雨で、気をつけなければならない場所は、中小河川を暗渠化して道路にした所や、その周りに建設された住宅地、溜め池だった所を埋めたてて住宅地にした所など」(26 ページ)という。
ひとたび東京で洪水が起きると、「東京の地下を繋げているのは地下鉄だけではありません。共同溝も洪水時に浸水を広げていく可能性」(51 ページ)があるという。

江戸時代の土木工事で、利根川の流れは東へ移動したが、その水は、「堤防一枚で東京から銚子の方へ無理矢理流している」(84 ページ)と指摘する。いざ洪水となれば、旧来の川筋に沿って水が流れるため、東京東部は、あっという間に水浸しになってしまう。
さらに問題なのは、首都の治水に具体策がないことだ「治水に関しては、気候変動による降雨強度が増えるという地域ごとの計算をしているものの、それを具体的な河川の整備計画に反映していない」(72 ページ)。

土屋さんは、「祭りという統一目標に向かって地域の住民が集まり協力をすることが、実は災害対策になっています」(88 ページ)と指摘する。「祭りで重い神輿を共に担ぐこと、その準備のために顔見知りになることなどが、実際に洪水が起こったときの地域を挙げての協力体制を、日常的につくり上げることになる」という。

土屋さんは、「すべての自治体に、地震、水害などの災害対策を専門的に担当できる技術職員がいる訳ではありません」(214 ページ)、「自治体ごとの判断が異なり、そのために犠牲が出れば自治体への非難となってしまう」(215 ページ)と指摘する。
そこで、「避難勧告も避難指示も、国から発令されることが必要」(224 ページ)と提案する。

東日本大震災以降、BCP を検討する企業・自治体は多いが、土屋さんは「地震対策と洪水対策とは根本的に異なります」(238 ページ)と指摘する。「地震対策で準備してきたことが洪水対策では役に立たなくなることがあります」。
そして最後に、「宰相ビスマルクは『賢者は過去の歴史に学び、愚者は己の経験に学ぶ』と言いました。まさにこのことが、いま東日本大震災から学ばなければならないことだと思うのです」(243 ページ)と締めくくる。

大震災発生時の帰宅ルートは確保したが、通勤途中で洪水に遭ったときにどう行動するか、考えておかなければならない。











最終更新日  2014.11.30 21:47:49
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