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2016.04.14
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カテゴリ:書籍
宇宙飛行士の採用基準

宇宙飛行士の採用基準

 ライト・スタッフを見抜ける神様の目があれば、どんなにいいだろうな(154ページより)
著者・編者山口孝夫=著
出版情報KADOKAWA
出版年月2014年7月発行

著者は、JAXA 入社以来、一貫して、国際宇宙ステーション計画に従事している、宇宙工学者で心理学博士の山口孝夫さん。
山口さんは、本書に「採用とは、その人の人生を引き受けること。採用する側はその覚悟を持ってほしい」(205 ページ)というメッセージを込めたという。私も先輩社員に同じことを言われた経験がある。
本書は、宇宙飛行士の採用過程を具体的に紹介しながら、企業における人材採用について知見を与えてくれる良書だ。

山口さんは、「ライト・スタッフを見抜ける神様の目があれば、どんなにいいだろうなと思います」(154 ページ)というが、実際に「神の目」をもつことはできないから、基準作りが大切だと指摘する。
「環境面、仕事面、心理・精神面から『測るべき能力』と『測り方』が適切に模索され、評価基準がつくられなければ「適格者」を選び出すことはできません」(146 ページ)。企業の採用面接では、評価基準が明確化されていないのが実情だろう。そこで、147 ページのマトリックス表が役に立つはずだ。
さらに、「いくら客観的にならなければならないとはいえ、相手の言っている言葉と感情を感じ取ることに目を閉じてしまってはいけません」(159 ページ)とアドバイスする。「ここでは面接官の資質も問われていきます」。

山口さんは、工学者でありながら心理学者でもある。宇宙飛行士のパフォーマンスを上げるには、メカニズムを合理的にするだけではなく、飛行士の心の問題も扱わなければならないと指摘する。たとえば、構造設計が難しくなっても宇宙ステーションには「窓」が必要だとか、「部下の長所だけを見て、欠点には目をつぶること」(96 ページ)で褒め上手になることをあげる。
また、NASA での訓練から、マネジメント層に必要な 4 つの軸として、適切なコミュニケーション、部下への配慮、マネジメントへの信頼、意思決定からなるチェックリストを紹介している(104 ページ)。これはビジネス組織運営で参考になる。

採用した宇宙飛行士の育成も、組織運営の参考になる。
まず、「いくらライト・スタッフを備えた適格者を選んだとしても、正しく教育されなければ宝の持ち腐れ」(162 ページ)としたうえで、訓練者(インストラクター)の重要性を説く。「インストラクターには「育てるブロ」としての訓練があるほか、指導面、人格面、知識・技量面で様々な厳しい資質要求」(163 ページ)があり、「心理学的には、信頼関係のある訓練者に、穏やかでストレスがかかっていない状況で教えられるほうが、被訓練者の頭にも入りやすく覚えやすい上に応用が利く」(165 ページ)という。信頼関係が重要なのだ。

最後に山口さんは、「企業は、全力で人を採用して、全力で人を育てる。そのような風土で大切に育てられた人は、全力で会社のために働く」(205 ページ)と述べているが、これは、企業に限らず、家族、地域、国家という枠組みでも同じことが言える。これからも人を大切に育てていきたいと思う。







最終更新日  2016.04.14 19:32:45
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