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2016.10.16
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カテゴリ:書籍
心が折れる職場

心が折れる職場

 心が折れる職場というものは確実にある。これが私の実感です。(3ページ)
著者・編者見波利幸=著
出版情報日本経済新聞出版社
出版年月2016年7月発行

著者は、日本のメンタルヘルス研修の草分けで、日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事としてメンタルヘルス講師の育成を行っている見波利幸さん。タイトルにある通り、職場の管理職に呼んでいただきたい内容だ。
私も管理職として、「新型うつ」「厚生労働省版ストレスチェック」が気になっており、とくに産休・育休を管理している立場として「産後うつ」の増加を心配しており、本書を買って読んでみた。
冒頭から、「心が折れる職場というものは確実にある。これが私の実感です」(3 ページ)という強烈なメッセージ――。

見波さんは、その経験から、メンタル不調が発生しやすいのは、業務連絡もしにくい雰囲気の職場や、何でも理詰めで考える職場が多いと指摘する。不調は、けっして労働時間の長短によって発生するものではないともいう。
また、ホワ・レン・ソウが一番重要という上司がいるが、これは、「『報告・連絡・相談』を部下に任ぜて、自分からは能動的なコミュニケーションを図る気がない」(24 ページ)と厳しい。また、成果主義についても、「社員の働きをフェアに評価できていないこと、あるいは、制度の導入の動機が、単に人件費をカットするためになってしまっている」(51 ページ)ようなことがないか、配慮すべきという。

見波さんは、「上司が発する「言葉」は、部下の心の健康を維持するうえで、たいへん重要な意味を持ちます」(77 ページ)と指摘する。自分でも感じるが、社内ポジションの高いものの言葉のもつ力は大きい。それが悪い方へ傾くとパワハラになる。
また、「メンタル不調者が続出するのは、上司の叱責それ自体ではなく、プロセスを認めてあげる『フォローアップ』が足りないということ」(83 ページ)ともいう。つまり、部下の承認欲求を満たすということか。何やら甘えた子どものようにも感じるが、じつは、現代社会は承認欲求を十分に満たせない環境にあるのかもしれない。これについては、後の方で「外で趣味やさまさまな活動の場を持っていると、たとえ仕事でうまくいかなくても、趣味の場で承認を補うことができます」(121 ページ)というアドバイスがある。
見波さんは上司に対し、情報面のサポート、情緒面のサポート、道具的なサポート、評価面のサポートを求める。その内容は具体的で、部下を管理していく上で参考になる。

見波さんは職場運営について、「仕事を進めていくうえで必要なのは適切な指導です。感情をぶつけることではありません」(188 ページ)、「絶対に口にしてはいけないのは、他人と比べる言葉です」(192 ページ)などの具体的にアドバイスする。
そして最後に、「部下を育てるマインドを持っているよ司は、将来を見ます。逆に、部下に対してダメ出しばかりをするような上司は過去ばかり見ているのです」(206 ページ)と締めくくる。

具体的で厳しいアドバイスの連続だが、本書を読んだ管理職がメンタル不調にならずに、部下を育てる未来志向の上司になってくれることを願う。






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最終更新日  2016.10.16 19:58:31
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