|
カテゴリ:書籍
飯田橋にある印刷博物館を訪れた際、コラボ企画として展示されていた小説。川越にある昔ながらの活版印刷所「三日月堂」に出入りするお客さんの心模様を描く中編4 本――ふわっとした物語なのだが、文字、インキ、珈琲、外字‥‥技術者としての私がこだわってきた事項がサラリと盛り込まれているオタク本なのである。 世界は森――川越の街の片隅に佇む三日月堂は、店主が亡くなり、しばらく空き家となってきた。孫娘の弓子が戻り、営業を再開する。再開のきっかけとなったのは、三日月堂のオリジナル・レターセット。発注したハルさんが、亡くなったご主人と息子の名前に込めた想いとは――。 八月のコースター――伯父から珈琲店「桐一葉」を受け継いだ岡野。紙マッチの代わりにショップカードを作ろうと、三日月堂を訪れる。 星たちの栞――鈴懸学園の学園祭で、文芸部は三日月堂の弓子を呼び、活版印刷のワークショップを催すことになった。 ひとつだけの活字――弓子と雪乃は銀座にある活字店を訪れる。本文用の活字の大きさは 5 号という日本独自の単位で、フォントサイズの 10.5 ポイントに相当する。だから WORD の本文標準は 10.5 ポイントなのである。そして、フリガナをルビと呼ぶのは、7 号(約 5.5 ポイント)をそう呼んだから。HTML のタグ ruby に受け継がれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.01.31 12:29:53
コメント(0) | コメントを書く
[書籍] カテゴリの最新記事
|