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時代は近未来。ジェームズ・ P ・ホーガンの作品にしては、約 170 ページと薄い。主人公も科学者ではなく刑事である(アイザック・アシモフのロボット・シリーズを連想する)。それでも、時間が一定して流れなくなった場合のコンピュータ・システムへの影響を具体的に描き出しているところは、ハード SF の旗手ホーガンらしい。ホーガン入門SF としておすすめだ。 ある日突然、ニューヨーク中心街一帯で時計が遅れ始めた。しかも場所によって遅れ方に違いがあり、遅れ方が一定しているわけでもない。待ち合わせに不都合が生じたのはもちろん、時刻によって足並み合わせをしている交通システムは麻痺し、コンピュータも正常に動作しなくなった。 コンピュータ・セールスマンという経歴を持つホーガンは、時間の遅れに伴ってコンピュータの動作に支障をきたすようになる情景を細かに描き出した。私たちが使っているパソコンは、マザーボードに搭載されている水晶発振子のクロックに同期して、すべての回路が動くようにできている。このクロック=時刻が狂ったら、パソコンは動かなくなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.07.13 13:58:57
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