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カテゴリ:書籍
数学者ガール・ドーニックは、セルダン計画に参加するため、銀河帝国の首都惑星トランターへやって来た。観光を終えてホテルに戻ると、ハリ・セルダンが待っていた。セルダンは、心理歴史学を使って 5 世紀後のトランターの姿を見せた。ガールは信じられないようにいった。「完全な滅亡です! しかし――しかし、そんなことはありえません。トランターはいまだかつて決して――」。 惑星ターミナスに百科事典財団(ファウンデーション)が設立されてから 50 年が経過した。アナクレオン太守は王を僭称し、副太守アンセルム・オー・ロドリックを特別使節としてターミナスに派遣した。アナクレオンはターミナスに軍事基地を作ろうとしていたのだが、原子力経済をもっていなかった。そんな中、帝国の貴族ドーウィン卿がターミナスを訪問し、人類の起源問題について語る。ドーウィン卿は実地調査せず、大昔に書かれた考古学書を読むことが科学だと主張する。 30 年後、若手の市会議員セフ・サーマックは 62 歳になったハーディンを訪問し、四王国に対するターミナスの政策に対する不満を述べる。ターミナスは司祭を通じて原子力技術を提供しており、宗教的に四王国を支配していた。 貿易商人リマー・ポニェッツは、仲間のエスケル・ゴロヴを救出するため、アスコーンへ向かう。アスコーンは、ファウンデーションの宗教や原子力を受け入れようとしない王国だった。 四王国の 1 つ、スミルノ出身の貿易商ホバー・マロウは、ジェイムズ・トゥワーとともにコレル共和国を訪れ、アスパー・アーゴ主席と会合した。マロウはスミルノに、帝国の紋章が付いた武器があるのを見た。 はじめて銀河帝国興亡シリーズを読んだのは中学 1 年の時――それから 40 年以上の年月が流れたが、いま読んでも、あらたに考えさせられることが多い。 作品中では原子力が大きな位置を占めているが、戦後に出版された『宇宙の小石』では原子力に対するアシモフの考え方が大きく変わっている。そして、同じアシモフのロボット・シリーズとの橋渡しとなる『ロボットと帝国』では、さらに‥‥福島第一原発事故を経験してから、これらの作品を読むと、また違った感想を抱く。 銀河帝国興亡シリーズを通じて「心理歴史学(サイコヒストリー)」という、統計学が進化したような仮想の数学が大きな役割を担っている。もしかするとディープラーニングの行き着く先は、「人工知能」ではなく「心理歴史学」なのではないだろうか。 さて、中学生の時に読んだのは創元推理文庫版で、『銀河帝国の興亡』という重厚なタイトル。残念ながら絶版となっているが、「ターミナス」が「テルミナス」になっていたりと、訳文もかなり違う。そして、林巳沙夫さんの挿絵が前衛的で、とても印象的だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.08.24 12:33:17
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