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2022.05.07
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カテゴリ:書籍
永遠の終り

永遠の終り

 ノイエス「もしも〈永遠〉なるものが最初から設立されなかったとしたらどうでしょう?」(327ページ)
著者・編者アイザック・アシモフ=著
出版情報早川書房
出版年月1977年11月発行

通常の時間の流れと隔てられた「時場」の中から人類の歴史を監視し、時に〈現実矯正〉を行う時間管理機関〈永遠〉(エターニティ)の一員、〈永遠〉(エターニティ)となったアンドリュウ・ハーランは〈観察士〉(オブザーバー)となった。彼らが〈現実矯正〉を行うたび、〈時間〉(タイム)の歴史は変わってゆく。
ハーランの報告は完璧であり、それは、〈永遠〉史上だれよりも多くの〈現実矯正〉を指導してきた上級算定士レイバン・トウィッセルの目に止まった。トウィッセルは「わしは〈永遠〉の存続のためにきみが必要なのだよ」と言い、ハーランを〈技術士〉(テクニシャン)に昇進させた。

ある日、トウィッセルはハーランに、研修生ブリンズリイ・シェリダン・クーパーの教育を任せ、〈原始時代〉について教えるように命じた。クーパーは、〈永遠人〉になるには歳をとりすぎていた。なぜ、トウィッセルはハーランにクーパーの教育を任せたのか。
ハーランは、観察士として働いたことがある482世紀を再訪する。ここで、魅力的な〈時間人〉(タイムマー)の女性、ノイエス・ランベントに出会う。ここで〈現実矯正〉が行われれば、ノイエスの存在が消えてしまうという。
7万世紀から15万世紀は〈神秘の世紀〉と呼ばれ、〈永遠人〉は〈時間〉へはいることができない。〈永遠〉と〈時間〉とのあいだには、通り技けられない扉が存在する。ハーランはノイエスを111394世紀に避難させた。

〈原始時代〉の24世紀のヴィッカー・マランゾーンが〈永遠〉を発明したことになっているが、そんなことはあり得ないと、ハーランはトウィッセルに詰め寄る。ついに、トウィッセルは〈永遠〉の正体を語る。〈永遠〉をめぐる因果の円環が閉じられるはずだったが、すべての謎が解き明かされたわけではなかった――ノイエスを救出したハーランは、彼女から真実を告げられる。〈永遠〉は終わり、〈無限〉(インフィニティ)がはじまった――。

タイムトラベル、タイムパラドックスはSFの中でメジャーなテーマのひとつだが、アイザック・アシモフのSFには、本作品と短編『停滞空間』の2つしかない。そして、本作品は単なるタイムトラベルものではなく、アシモフが得意とするミステリー仕立てになっており、最後の最後で、〈永遠〉が『銀河帝国の興亡』(ファウンデーション)シリーズの伏線になっているという大どんでん返しがある。銀河帝国がなぜ人類だけで構成されているのかという謎得になっている。

そして、もうひとつ――〈永遠人〉のタカピーな振る舞い。これは『鋼鉄都市』など、銀河帝国前史に登場する宇宙人たちに似ている。アシモフは、上級算定士レイバン・トウィッセルは「われわれは異常なものと見れば排除する」と語らせる。
アシモフのSF作品群には、排除の論理が強くなると人類は滅び、多様性を受け入れなければ人類の発展はないという強いメッセージが込められている――アシモフの死後30年になるが、世界は、まだ、彼の理想を実現できていない――。







最終更新日  2022.05.07 13:10:42
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