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2007/05/26
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カテゴリ:メディア
昨日、衆議院厚生労働委員会で強行採決された、社会保険庁関連改革法案ですが、朝日社説がていねいに経過も踏まえて、「宙に浮いた年金」の解説と昨日の採決について論評しています。
朝日新聞は、年金に関しては、国民の目線に立った記事を書いています。
社会保険庁の今までのずさんさを指摘し、今後は、今まで以上に丁寧に調査せよ、と要求しています。

日経社説は、「記録漏れの救済は大切だが、未納を減らすために何が必要かを議論するのが先決ではないか」という結論には失望します(年金への信頼が揺らいでいるのですから、未納を減らすためには、記録漏れの救済が先なのではないでしょうか、日経社説の結論は、本末転倒です)が、社会保険庁のいいかげんな処理を問題視しています。

しかし、読売新聞の対応は、何なのでしょうね。
政治面において、「参院選にらみ乱戦」「与野党、批判応酬」としか書けないのです(我が家で読売を取っているのは、いい加減な読売記事を批判するためです)。
昨晩も書きましたが、自民・公明が強行採決したことも書かず、単に、法案が可決されたと書くのみです。
昨日、本日、ともに、5000万件の記載漏れがあるという、民主党長妻議員や山井議員の指摘も完全に無視です。
それどころか、一面の写真(民主党議員が、厚生労働委員長の自民党議員氏の口を押さえつけている)は何なのでしょう?
多分、民主党は、言論封殺する政党だと、社説に書きたかったのでしょうね。
ところが、昨晩のTBSラジオ「アクセス」の展開を聞いていて、社説で政権擁護しきれなくなったのでしょう、読売社説ライターにもさすがに羞恥心があると見えて、国民の最大の関心事である年金問題をネタに引いて社説で民主党非難をすることができませんでした。
また、読売一面では、民主党の追及に参議院選挙への影響を恐れたのか、安倍首相が領収書無しでも救済すると答弁したことを、まるで、安倍政権の大手柄のように大々的に書いています。
何とかして、国民の目をごまかそうという読売のやり方には、激しく憤ってしまいます。

いかに私が民主党支持であっても、読売・朝日・日経に民主党の応援までしてもらいたいとは思いませんけれども、事実をあった通りに報道してもらいたいですね。
都合良く潤色と無視を続ける最近の新聞には、公正な紙面を望みたい。

読売が一面で高らかに、安倍政権は庶民の味方だとでも言いたげに書いている、年金の「領収書無しの救済」ですが、さっそく、昨晩のTBSラジオ「アクセス」で、ニッカンゲンダイの二木啓孝さんが、これでは、社会保険事務所窓口でゴネれば、年金を支払っていない人でも、年金を受給できてしまう、と、指摘していました。
そうでなくても、少子高齢化により今後危ぶまれる年金財政ですが、年金未払い者にまで年金を支給するようになれば、ますます年金財政を圧迫してしまいます。
「宙に浮いた年金」の問題は、年金保険料納付のデータを正確に調査可能な状態にすることが求められている、ということです。
年金保険加入者の過去の支払い状況を、氏名や住所、生年月日の曖昧検索によって、きちんと調査できるようなデータベースを構築すればよいのです。
今まで、年金データを電算化するときに、過去の支払い状況を年金加入者に確認してもらうようなことをやってこなかったのが間違いなのです。
経費がかかるからなどという言い訳は通りません。
それなら、年金を3000億も使って建設し結局50億ほどで売却してしまった、グリーンピア施設は何なのでしょうか?
しかも、そんなデタラメをやっていながら、猪瀬直樹さんの著書によれば、グリーンピア周辺の団体に天下りした官僚が何千万という退職金をもらって、何一つ責任を取っていないのです。
そして、昨日は、こうしたことの議論を途中で打ち切って、自民、公明は、本当に年金財政がこれで保証されるのかどうかもわからないような法案を強行採決してしまったのです。
この先想像されるのは、きちんと年金保険料を支払ってきたのに年金を受け取れない人が何人も出てくる、ということでしょうね。
街に、餓死した正直者老人の遺体があふれる、という時代が来るのかも知れません。

読売が一面で書く、年金の「領収書無しの救済」ですが、全員の救済ではありません。
社会保険庁のミスであっても、何らかの証明がない限り救済されないのです。
読売新聞を購読している人で年金について不安をお持ちの方は、朝日新聞に、過去の年金保険料支払い確認の方法が説明されているので、ぜひ、朝日新聞をお読みください。

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最終更新日  2007/05/26 10:58:20 AM



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