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2007/06/18
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カテゴリ:メディア
昨年12月13日に、インターネット上でファイル交換するソフト"Winny"の開発者が、京都地裁で、著作権法違反行為の幇助罪で有罪判決を受けました(事件の詳細は、こちらを参照)

当ブログにおいても、12月13日の日記12月14日の日記で、Winny判決について書きました。

この判決について、日経BPのウェブサイトで、弁護士さんが解説をしています(こちらを参照)。

この解説によると、有罪判決の理由は、既にWinnyが著作権法に違反するような使い方をされていると認識した上で、新版のWinnyをダウンロード可能な形でアップロードしたから、著作権法違反の幇助になる、ということであって、Winnyの開発自体の責任が問われているわけではない(検察側はWinny作成自体の責任を問うていて、上級審ではどうなるかわからない)とのことです。
この弁護士さんは、この判決によって、IT関連のソフトウェア開発が制約されると考えてはいない、と言っているのですが、私には、そうは思えませんね。
弁護士さんは、ソフトウェア開発者ではないので、この判決、あるいは、警察に逮捕されてしまったということが、日本の将来にどれだけマイナスになるか、ということはわからないかも知れません。

昨年12月13日の日記にも書きましたが、この判決を、自動車の開発者に当てはめるのであれば、自動車を酒酔い状態で運転する人も世の中にはいると認識した上で、新型の乗用車を売りに出せば、道路交通法違反、あるいは、危険運転致死傷罪の幇助になる、ということです。

でも、実際には、酒酔い運転による事故は幾度と無く繰り返されるのに、自動車の開発者が酒酔い運転で事故を起こす人の幇助罪に問われることはありません。
自動車はセーフでも、ソフトウェア開発はダメなわけです。

また、最近も警察官のパソコンからWinnyを介して犯罪情報が流出してしまったという事件がありました。
こうした社会に迷惑が及ぶ事件・事故が起こるから、Winny開発者の有罪は当然だ、というような無茶苦茶な議論が、大手新聞の論調にも見られます。
しかし、自動車が排気ガスや騒音や振動で迷惑を及ぼすから、開発者は有罪だ、などと言われることはありません。
ソフトウェア開発者だけが悪者にされるわけです。

私は、日本の中に既存の文化に適合しないものはすべて悪であると決めつける風潮があるからだと感じます。
つまり、Winny開発者は、日本人に、おまえはソフトウェア・エンジニアだから、オレのよく知らない得体の知れないものだからけしからん、と言われてしまうわけです。

これも、当ブログでは何度も書いてきていますが、日本では'80年代後半にも同じことがありました。
'80年代、ワープロ、データベース、OSなどの様々なパソコン・ソフト、また、CPUの開発などが日本で盛んに行われていました。
しかしながら、日本国内に、こんなわけのわからないものをやってどうするのか、危険だ、というような雰囲気が蔓延して、ほとんど潰されました。
その割りには、マイクロソフトのバグだらけWindowsには、NECと富士通の社長が、素晴らしいと絶賛し、万歳三唱したのです。
結局、日本では、パソコンOS開発もCPU開発も壊滅、パソコン・ソフトでも、生き残っているのは「一太郎」と「MIFES」くらいなものです。
その結果、バブル崩壊以降、日本が長期の不況に喘ぐのを尻目に、クリントンの米国は、インテルCPUとマイクロソフトWindowsで世界制覇を成し遂げ、一国覇権主義を確立したのです。

そして、今また、日本人は、同じ失敗を繰り返そうとしているのです。
新しいもの、よく中身がわからないものは危険なものに決まっている、全部悪だ、と、言い張っているのが、Winny開発者の逮捕であり、有罪判決です。

今後、日本でどういうことが起こるでしょうか?
Winnyが有罪だというのなら、Internet Explorerも、Firefoxも、Apacheも全部有罪になるはずですが、日本で有罪にになることはありません。なぜなら、外国で制作されたソフトでは取り締まりようがないからです。
今後、IT関連では、中国、インドで開発されたWinnyと同様なソフトが出回り、著作権保護など有名無実な状態になってしまうでしょう。
でも、取り締まれないのです、外国人の作ったソフトをインターネット上でダウンロードして使うからです。
外国にサーバーが置かれているアダルト・サイトを取り締まれないのと同じです。
Winny開発者は、著作権に関して、インターネット時代にふさわしい新しいビジネス・モデルを提案しつつ、著作権保護も訴えていました。
中国、インド、もしかしたら、北朝鮮からやってくるファイル交換ソフトが、日本人の常識的な著作権保護のような考え方に配慮するとは思えません。
それでも、日本人は、外国産のソフトウェアを使うのです、今、スペリング・チェック機能がついている、マイクロソフト社WORDを日本人が標準日本語ワープロとして使うように。
そして、今の日本でOSがWindowsに席巻されているように、日本のITソフトウェア業界は壊滅、みすみす、中国、インド、もしかしたら、北朝鮮に、ソフトウェア使用料をごっそり持って行かれるのです。
日本人が作ったものは許されない、外国人の作ったものは文句のいいようがない。

日本人は、Winny開発者を無罪放免し、Winny開発者に誠実に謝罪し、そして、Winnyを悪用して著作権侵害行為を行った当人、重要機密をネット上に流出させてしまった当人の責任を問うべきです。
そうでなければ、日本で、逮捕される危険性があるのに、IT関連ソフトウェアを開発するバカがいるわけありませんね。

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最終更新日  2007/06/18 12:53:02 AM



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