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イチゴ農家さんは本格的育苗期になりましたね。
前作はご苦労なされた方が多かったようですが、今年こそ良い作柄にしましょう。 「苗半作」はイチゴも同じです。いい苗作りが出来れば、(天候を別にすれば)50%良作が見込まれます。でも、いいイチゴの苗とはどんな苗でしょうか? イチゴは品種改良が重ねられて、今や各県1品種のような体をなして特性の違いまでは了解出来ませんが、祖先の遺伝子を放棄するはずはないと思います。昔から良い苗といわれるのは根とクラウンが大きい苗ですが、「大苗」と取り違えられている感じがしなくもありません。根が張らずに丈や葉だけが大きくなった苗が、9月の定植後の環境変化に十分対応できるとは思われません。(地力が十分なときは大丈夫な模様ですが)私が訪ねる名人達人たちの苗は、地上部を見る限り「すごい苗」ではないようです。 私がお薦めする苗作りのツーポイント 苗数確保 数にゆとりを持って育苗し、出来るだけ病気を出さないこと。病気の原因は病原菌の繁殖、害虫、多肥、高温、過湿過乾、多光などの外部要因で苗の生理がおかしくなることに始まりますが、相互に関連しあっており、多肥と高温が一番の要因と言えそうです。親株にはランナーの育成のための適正肥料は必要ですが、子苗には多肥は好ましくありません。苗ポットの表土に青ゴケが出るときは要注意。立枯れ病予防は高設育苗、温度光度調整の寒冷紗、雨よけビニールと上方からでない給水方法が備われば、まず安心。 病害虫抵抗性を高める物理的に堅固な細胞壁を作るにはSi22の2000倍液を親子共々週2回葉面散布すると、押さえの効いたがっしりした中苗(13~16cm)に仕上がります。切り離し後の子苗には薄めの液肥投与でコントロールしてください。運悪く病気が出たときには、1000~100倍の芯打ちが効果大のようです。農薬による定期防除は耐性菌が出る可能性があるので、定期防除はSi22の散布にして、農薬は取っておきの手段として使う方が効果も優れます。 根とクラウンをしっかり作る イチゴの根の寿命は比較的短く、次々に花を上げ果を太らせるには不定根が必要です。不定根はクラウンの葉欠き跡から続々と出るので、育苗期にしっかり葉欠きをすれば大きな根とクラウンを得ることが可能です。定植後に根がしっかり張れば、光合成で余った糖をデンプンに変えて根に蓄積するので、天候不順が続いてもデンプンを再転流させて生育を妨げません。(前作上手な方はこの手で、日照不足を切り抜けました) 良い苗作りの極意は葉欠きにありますが、欠いた跡はキズが残るので菌の進入を防ぐためにSi22の2000倍液を散布して、カルス形成を促すことが大切です。苗葉を標準3.5枚残しでお盆過ぎまで葉欠きをすると、およそ週1枚のペースになりますが、病気予防のための週2回の葉面散布のどちらかの日に葉欠きをすれば、一石二鳥なわけです。(葉欠きは手むしりが一番。ハサミは病原菌を伝染させる原因になります) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.07.22 23:40:50
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