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カテゴリ:なんだこりゃ
パンダ母は入院中の身ではあるが、
足以外は元気なので、一日のうちに何度か携帯が鳴り、 おつかいを頼まれることが多い。 今日の午後も、そう。 「奥かい?今から○○紳士服のとこに行ってちょうだい。」 「え~っと、え~っとスーパーの角のですか?」 「そうそう。お父さんの身分証明書と印鑑も持ってね。」 「あ~、はい。。。」 今日は何なの~~~? それにいくら探しても、パンダ父の住民登録証が無いのよ。 困った、困った・・・ パンダに電話してみたら、あっさり 「あ、それ、オレが持ってる。」 「なんで~~~?」 「ちょっと、市役所への申請に要るから。」 いや~ん・・・ その旨をパンダ母に伝えると、 「わかった。じゃ、お母さんのでいいから、持ってきて。 お母さんも、今からそっちに向かうから!!!」 え?向かうって??? よくわからないまま、N紳士服に着いてしまった。 ここのご主人には、つい最近集金のことで、お世話になったので、 顔見知りと言えば、顔見知り。 「こんにちは~。」 「あれ?今日はどうしたの?」 「あ、いや、あの・・・お義母さんが・・・ 今、ここに来られるそうなんですけど・・・」 「どうして?」 「そ、それは、わたしにも、ちょっと・・・」 しどろもどろというのは、こういうことを言うんだろうなあ・・・ しばらくすると、なんと、病院のパジャマ姿で、車椅子に乗ったパンダ母が登場。 車椅子を押してきてくれたのは、市内の女子高に通う女の子2人。 「あ~、ほんとに助かったよ、ありがとうよ~。 えっと、あんたたちの学校と名前教えてくれないかい?」 さらさらとメモするパンダ母。 「今度お礼するから~~~!!!」 「あ、いえ・・・さようなら・・・」 と、立ち去る乙女たち。 「車椅子くらい自分で動かせると思ったら大間違いだったね~。 どうしようかと思って、あの子たち捉まえて、お願いしたの。」 ご苦労様・・・ 「何、今日はどうしたの~?」 店のご主人が、車椅子を店に引き上げてくれた。 「いえね、そこの空き店舗に入らせてくれって人がいるから、 もう今日、契約してしまおうかと思って。 アンタなら信用できる人だし、立ち会ってもらいたくてね~。」 ああ、そういうことだったのか・・・ パンダ母は、市場の中ほどに、貸し店舗を持っているのだけど、 そこの2階は長いこと空き家だったのよ。 しばらく待つと、普通の主婦っぽいおばさんと、 スーツ姿の爽やかおじさんが入ってきた。 どうやら、この人たちが、店子さんみたいだ。 店のご主人が、さっと契約書を取り出した。 パンダ母の代わりに、名前や住所を代筆してくれる。 「えっと、契約金は1000万Wだけど、どうされます?」 すると、主婦っぽいおばさんが、 「じゃ、今日のところは10万Wだけ手付金として置いていきます。 すいません、持ち合わせが無くて・・・ 今日物件が見つかるなんて思ってなくて。。。 でも、急にここがいいなと思って・・・」 そうなの?そんなんでいいの?そんなもんなの? 敷金礼金100万円なんだけど、1万円だけ置いてくね、ってなもんだよね?? 「えっと、じゃあ、残りの999万Wはいつ?」 「じゃ、来週の水曜日に。」 「う~んと~・・・契約日ってのは、今日なのかな? それとも契約金もらってからの日付にするのかな・・?」 店のご主人が、ぶつぶつつぶやいていると、 店の奥のソファに座ってたおじいちゃんが、 すすすすす~~~~っと、やってきて、 日付は今日の日付を書け、手付金はこの欄、残りはここの欄、 来週の水曜日の日付はここに・・・ と、手取り足取り教えてくれる。 店のご主人は、言われた通りに書いていたが、 「え?けど、やっぱり契約金全額払ったところで、契約なんじゃないの?」 途端に、主婦が焦った表情で、 「でも、全額揃って払うまでに、 他の店子さんが入ってしまったらどうするんですか?」 ここで、おじいちゃんがまた 「契約の日は、今日でいいんじゃ。手付金は今日置いくんだから。」 あ~、このおじいちゃん、この主婦のお父さんか親戚の方かしら?? 主婦はほっとした様子で、何度も 「今日決まるなんて思ってなかったから、現金が無くて・・・」 と、繰り返していた。 それから、パンダ母が、 「一体、何のお店を出すのよ?」 え~~~?知らなかったの~~~?聞いてなかったの~~~??? 今度はスーツ姿の爽やかおじさんが、 「健康グッズと言いましょうか、 台に乗って、1分間に1万回以上の振動で、 脂肪を燃焼させるんですよ。ダイエット商品・・・ですね。」 爽やかおじさんが、わたしをちら見した わたしも健康グッズと聞き、胡散臭そう~と思ったのだけど、 その振動するやつは興味あるある大辞典。 日本でお試し体験したときに、あまりにも全身の脂肪が揺れたので、 いつかTVショッピングで注文したいわ~とか思っていたのよ。 ぎらつくわたしの目に気づいたのか、 「お嫁さんは無料で使ってって下さいね!」 爽やかおじさんが、微笑んだ。 何ですと~~~? タダで使える と喜んだのと同時に、 やっぱり誰が見てもダイエットが必要なのね と、ちょっと複雑な気持ちだわ。 それにしてもわからない。 お店や商品の説明をするのは、爽やかおじさんで、 主婦は全く口をはさまない。 おじさんが営業マンだとしても、主婦が一言くらい 「ええ、そうなんです。最近話題でしょ?」 とか 「この頃流行ってるんですよ~」 とか、会話に入ってもいいと思うんだけど・・・ まあ、いいんだけどね。 お互いの名前や住所、住民登録番号や、電話番号などを全て書き込み、 後は印鑑を押すだけとなった。 店のご主人が、それぞれの名前の横にハンコを押し、 契約書、甲・乙2枚をつき合わせて、そこに割り印を押した。 おじいちゃんが、満足そうに、 「そうそう、割り印ってのはそれでいいの。」 契約書が埋まったところで、ご主人がコーヒーを入れてくれて、 しばしくつろぎ、 「じゃ、来週の水曜日にまた来ます。よろしくお願いします。」 と、主婦と爽やかおじさんが去っていった。 ご主人とパンダ母が、 「あの二人、夫婦じゃないよね~」 って話で盛り上がっている。 あれ?おじいちゃんは、まだ、お店に残ってるじゃないの。 ってことは、あのおばさん側の人じゃなくて、 ここのご主人のお父様なのかしら・・・ おじいちゃんは、パンダ母にまで、色々アドバイスし始めたよ。 「契約ってのはね、契約金は低めに、 月々の家賃はちょっと高めにしておくの。@#〒#◆$*#&▲・・・」 あはは~、パンダ母がこんなに大人しく人の話を聞いてるの、 初めて見るかも~~ ひとしきり話すだけ話して、コーヒーを飲み干し、 「じゃ、帰るわ。」 とおじいちゃんも去っていった。 「さようなら~。」 ・・・・・誰? 「じゃ、あたしも病院戻るわ。奥、押して。」 行きは女子高生。 帰りは20何年前の女子高生に車椅子を押され、 パンダ母は病院に戻っていった。 驚いたことに、医者には黙って外出してきたらしい わたしがびっくりして、 「いいんですか?!そんなことして?!」 と、聞くと、更に驚いたことに 「あはは、いいのよ~。今日だって、こっそり鍼治療に行ったの。」 えええええ~~~~~?! 入院してるのに~~~?? ・・・・・・ そして、とどめ。 「あのね、お医者さんが、手術しろって言ってんのよ。 でも、お母さん、嫌だから!!!!!」 そんな・・・・ 手術して良くなるのなら、手術したらよろしいじゃないですか・・・ こっそり鍼に通うって(笑) どうしたらいいの? 先生にチクっちゃう?? もう、何でもいいから、 早く帰ってきて~~~~!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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