2008/09/18(木)12:34
秋夕疲れ
秋夕と書いて、チュソク。
中秋の名月の日ですね。
ススキとお団子で、のんびりお月見・・・
ってなわけにはいかないのが、韓国。
満月の前日から、法事料理を大量に仕込み、
翌日起きたら、即、法事。
さっさと済ませて、息つく暇も無く、山のてっぺんの墓参り。
先祖代々じゃなくて、一人一人お墓が違うから、
転々と移動もするし、お参りの度に、法事料理もお墓の前でお供えして、
バッタのように、お参りした末に、ご相伴に預かったりもする。
それから、女性は実家に挨拶回り。
パンダ母の実家に行って、これまた同じような法事料理をいただく。
パンダ母がパンダ母の実家に行くということは、
パンダのお姉さんたちが、我が家に来られるということでもある。
夕方にはまた家に戻り、今度は義姉夫婦たちの食事の準備だ。
たいていの家では、これらは全てお嫁さんの仕事で、
男は一切なんもしない。
我が家ではないけれど、食事や酒の後は、
延々と花札大会というお宅も多いことと思う。
月見どころではないのだ。
ご先祖様はそりゃ敬わなければならない。
お墓だって大切だ。
けれど、わたしがご先祖様なら、
死んだ者のために、生きてる者がつらい思いをしたり、
うわべだけの法事をして、思い出話の一つも語られないくらいなら、
こんな法事一切やるなと言いたい。
ヨンイさんが言っていた。
「うわ~、奥は自分とこで法事やらないといけないのね~?
大変だね~。
もうさ、連休だからどっか遊びにいって、
ペンションとかで法事する家族だっているんだよ??」
かと思えば、同じように苦労してきたはずなのに、
産後3ヶ月の弟嫁が法事にこなかったことを
「いいよね~、今の若いお嫁さんたちは。
あたしたちとは違うのよ~。」
と、姑のような意地悪い口調で話す若い奥さんもいる。
自分がしんどい思いをしたなら、後の人たちが変えていってくれたら、
それはそれでいいじゃないか。
普段の暮らしには慣れては来たわたしも、
正月と秋夕の大きな行事となると、いつまで経っても慣れることも
なじむこともないし、疲れだけが倍増する。
誰も食べない餅や、1週間も十日もずっと残り続ける料理。
虚しいわ~。
餅だって、ほんとは餅屋でちょこっと買って済ませるはずだったのだ。
それが、ソウルの兄嫁が
「去年の豆の餅は本当に不味かったわ~!!
今年は美味しく作ろうよ!」
確かに、パンダ母の作る餅は不味い。
本人は美味しいと信じているから、兄嫁みたいにはっきりと
不味いと言ってあげる人がいなくてはならないのだ。
パンダ母の餅は不味い。
この点にだけは、わたしも激しく同意する。
だが、兄嫁の全く場を考えない発言の数々に、パンダ母のイライラもピークに達する。
それはわたしの望むところではない。
しかたなく、餅を作る。
餅屋で見かけるような、色んな色の餅を作ろうと言い出した兄嫁。
たまたま菓子作りで使う粉があったので、差し出すと
「わ~、さすが奥!」
作る餅の形も、わたしは小さく可愛くまとめていたが、
兄嫁のはどう見ても特大餃子で、不細工なものだった。
「わ~!奥の餅きれいだね~。
あたしゃ性格が雑だから、ダメなのよね、こういうのは~!」
・・・なら、作ろうなんて言い出さないでくださいよ。
そこへイライラマックスのパンダ母が
「奥は、料理でもお菓子でもなんでも上手だけど、
その後、きれいに片付けができないからねっ」
すると、兄嫁、鬼の首を取ったように
「いやだ、奥!そりゃダメよ~。
女の人は、料理ができなくても、
きれいに後片付けだけはできないと!!」
・・・・・兄嫁の家やキッチンが、一度でも
きれいに片付いてたことがありましたっけ?
行く度に、パンダやわたしが掃除したくなったり、洗濯したくなったりするんですけど。
ご飯だって、炊飯器開けたら、カビてましたよね???
と、来年は絶対に言おう。
今年は、やっとのことで
「兄嫁さんは、片付け上手なんですか?」
と聞いた。すると、
「あら、あたしは料理もパンも作らないから、
後片付けもしなくていいのよ。」
はいはい、わかりました。
そして、その後、またあれこれ大量の揚げ物や焼き物にかかった。
パンダ母が出かける時間になり、
「これ、野菜の和え物もやっといてね。」
と、山菜やら野菜やらを指差した。
とたんに兄嫁、わたしが持っていた肉を奪い
「奥!これはわたしが焼くわ!
奥が和え物やって!!」
パンダ母が出かけると、すすす~っとやってきて、
「和え物って、どうやるのかわからなくって~。」
あなた、結婚して以来何十回法事料理作ってきたんですか??
いつも何食べてるんですか??
これも来年は絶対聞いてみよう・・・
そして、わたしが料理や法事の準備以上に苦手なのが、
パンダ母の実家参り。
カンベンしてくれと思う。
ちなみに、兄嫁は墓参りも親戚回りもパスなんだよね。
いいよな~。。。
が、今年は、お月様に願いが通じたのか、わたしも墓参り・親戚参りはパス。
というのも、パンダ父を女一人ではお世話するのが大変だから。
パンダ母は留守番する気は全くない。
なぜなら、山のお墓近くに栗の木がいっぱいあるから、
栗拾い命なのだ。
わたしは山栗はどうでもいい。
親戚回りパスできるなら、いくらでもパンダ父のお世話させてもらうわ。
と、残った嫁二人とパンダ父。
「奥、サウナ行こうよ。あ~、もう疲れちゃった~」
「え?ダメよ。お義父さんまだご飯済んでないのに・・・」
「このまま2、3時間かかるでしょ?その間行って来ればいいわよ。」
歯が無いパンダ父は食べるのに時間がかかる。
まあ兄嫁の読みは正しい。
でも、もうこれ以上兄嫁とはかかわりたくない。
「あ・・わたし、家にいます。
お風呂行けないし。」
「え~、なんで~、一緒に行こうよ~~~」
「行けないんです。」
「え~、お義父さんなら大丈夫だよ~。」
「あ、そうじゃなくて、あの、行けないんです。」
「なんでよ~~~」
あんたほんとに女?!
と、来年こそ言いたい台詞がまた増えたわ。
兄嫁がいない間、わたしは前日に準備したお菓子や石けんを、
可愛くラッピング・・・
みんなに、チュソクのお土産としてお持ち帰りしてもらうもの。
あれ?
あれ?
兄嫁・義姉×2・・・2袋ずつ準備したんだけどな・・・
なんで5個しかないんだろう??
弱ったな。。。どうしようかな。。。
今から何か作ろうかな。。。
オーブンかミシンか迷ったが、ミシンを踏んだ。
あはは、まさかこんな日にまでミシンに向かうとは思わなかったよ。
夕方お義姉さん夫婦がいらして、ご飯の準備して、それからまたミシン。
コーヒー出して、果物出して、
みんなが子パンダの夏休みのビデオ見てる間も、またミシン。
ひゃはは~っ♪楽しいぞ~。
そして出来上がったミトンは、いつもお世話になってる大きいお義姉さんちに。
石けんもお義姉さんの旦那さんが、ちょっとアトピー気味ということで
喜んでもらえたみたいで、ほっとした。
そして、ふと、子パンダに聞いてみた。
「ねえ、子パンダ~。昨日、袋に詰めたパイあったでしょ?
あれ、子パンダ食べた?」
「ううん、食べてないよ。知らないよ。」
すると、子パンダの従姉妹、つまり兄嫁のとこの末娘が答えた。
「あ・・・朝、お母さんとお姉ちゃんと食べた。」
「・・・ふ・・・ふぅ~ん。。。」
なんなんだよ~~!!!
勝手に食べる前に
「これ食べてもいい?」
とか、勝手に食べた後に
「これ美味しかったよ♪」
とか、なんか言うことあるだろう~~~???
なんなの、この人~~~~
人間としてなんか間違ってるんだよっ
あ~~~~~
もう来年こそは奥さんだって、言いたい放題、やりたい放題やってやる!!!
在韓日本人の奥様方。
チュソクお疲れ様でした。
義家族の家でつらい思いや、寂しい思いをされた奥様もいらっしゃると思います。
もやもやと、晴れない鬱憤がたまったことでしょう。
そんなとき、うちの兄嫁を思い出してください。
(あ~、あたしも大変だけど、奥さんちよかましか・・・)
と溜飲を下げていただけるならと思いつつ、
今日の日記を更新いたします。