2006/06/27(火)16:21
ウルトラマンメビウス 第12話「初めてのお使い」
ネタバレを含みますので、本編を未見の方はご注意ください。
脚本:川上 英幸/監督:鈴木 健二
【あらすじ】
ある日、トリヤマ補佐官は、総監代行としてのミサキ女史からある任務の説明を受ける。
それは手渡された赤いジュラルミンのケースを最終処理施設まで運搬するというものだった。重要任務であると自負していたトリヤマだが、クルーたちからは好奇心の眼差しを浴び、マル補佐官秘書からは“お使い”と揶揄され、いたたまれない気持ちで任務に就く。
その中身は、かつてグロテス星人が地球侵略に使用したグロテッセルであった。それは置き物のように中が空洞の物体に侵入すると、生物のように動かすことのできる特殊な細胞である。GUYSではこれをメテオールに活用できないかと研究を重ねていたが、対象が怪獣クラスの大きさになると破壊衝動から暴走しすることから制御不能と判断し、破棄することなったのだ。
その危険性を知る由もなかったトリヤマは、搬送の途中、うかつにもそのうちの1本を川に落としてしまう。
【みどころ】
・主演トリヤマ
ご本人の弁の通り、最近、笑われものになっているトリヤマ補佐官。
緊張したり、途方に暮れたり、頼み込んだり、めまぐるしく変わる多彩な表情で楽しませてくれます。
ところで補佐官もメモリーディスプレイを持っていましたが、いずれ、マケット怪獣を繰り出すシーンもあるのでしょうか?? (ヤメタランスかタガールとかでいかがでしょうか。)
・助演ハンペン
特撮ファンの間ではキカイダーのハンペン役でおなじみのうえだ峻さんがゲスト。
軽妙で味わい深い演技は今も健在ですね。
・アンドロイド0指令
グロテスセルを吸収したガラクタ骨董品たちが店の中を縦横無尽に飛び交います。
象の置物やノスタルジックなカエルの人形が動き出す様は必見!
・回収部隊、編成
ことの重要さを知ったトリヤマはGUYSの中から懐柔しやすい3人を選抜し、特別回収チームを編成します。
さて、あなたが補佐官の立場だったら誰を連れて行くでしょう。
私なら、姉御肌で上手に仕切ってくれそうなマリナ隊員を巻き込みたいところです。
堅物のウルトラマンミライ君も惻隠の情(?)を学んだ?
・コダイゴンジアザー推参!
恵比寿様の置物がトリヤマの“うっかり”で怪獣化した姿。
リュウをして、「なんじゃありゃあ」と言わしめるヘンチクリンな格好ですが、釣竿を武器に鯛との連係プレーで無敵の強さを誇ります。
メビウスも、なぜか駆けつけたヒカリも大苦戦!
デビルマンも真っ青の難敵ですが、いったいどんな攻略法があるのでしょうか?
【登場怪獣】
魔神怪獣 コダイゴンジアザー
***
詰め込み過ぎの前回に比べ、シンプルでしたが、しっかりと教訓を残した単発ストーリーではなかったでしょうか。「踊る大走査線」でもおなじみのトリヤマ補佐官役、石井 愃一さんの年期の入った芝居が光りました。
自らの保身が第一で厄介ごとは他に回したがる、乱暴にくくれば当世の“大人”の代表のような補佐官ですが、やはり、事をいい加減に繕えばあとあとイタイ目に遭うということでしょう。それにしても、“商売繁盛”の神様である恵比寿様に報復を受けるとは、マックスほど大上段に掲げてはいませんが、現代の経済至上主義への密かな皮肉を含んでいるのでしょうか。
さて、GUYS隊員や他の専門チームに任せた方がより確実なこのお使いミッションを、総監(?)が補佐官に頼んだ理由とは一体何だったのでしょうか。
職責や人間性を試すのであれば、わざわざこんな危険なシロモノを使う道理はない訳ですし、失って開放されることを前提に実用実験ということもあり得ないでしょう。
もし、補佐官の姿勢に注意を促し、GUYSジャパンの結束を図ることが目的であるならば、それは地球人類の常識を遥かに超えた意思が介在しているとしか思えません。
帰ってきたウルトラマン1971