蒼い空に・・・第2話第2話・・・「突然の悲劇・運命の転機・回り始めた新たなる歯車」上原姉妹が転校してきて1週間後の日曜日、俺は朝早めに起きて外にジョギングをするために出ていった。 そう、これは朝の岩谷川の風景を見に行くためなのであるが、まさかこれが後の残酷な運命の歯車を回すきっかけになろうとは・・・。 「さぁーーて、ジョギングしてくっかな!!」 「気をつけてね、七時ごろに朝ご飯は出来るから、その時までには戻ってきてね!!」 「おぅよ、任せとけ!!それじゃ」 俺は駆けて行った。だが、何故だか体は重い。体調は良いはずなのになぜだか体の動きが鈍い。 いつもより10分ほど遅れて岩谷川に辿りついた。そこには見なれた2人の人影が見えた 「あっ!修だ!!」 「おはようございます、修さん。」 「んあ?愛と舞じゃん!!君達もここの景色を見にきたの?」 「そうなの!!今日からなんだけどね、皆に勧められてきたら偶然修がくるんだもの、驚いたよ」 「俺はよくここには来るからな。 まぁ、暇人だし。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ そこで立ち話が長くなっていたことに気がついた。 「いけね!!もう七時すぎてる!!それじゃ、俺は戻るからまた学校でな!!」 「うん!また後でねーー!!」 俺は走って家まで戻った。家の中に入ると異様な光景が視界に入った。床が赤くなっている・・・。 「んあ?どうしたんだこれ?母さーーん?父さーーん?帰ったよ?」 返事はない・・・。俺は母と父を呼びに寝室に向かった。ドアを開けるとそこにはぐったりと倒れている父と母がいるではないか!! 「おい!しっかりしろよ!!母さん!!父さん!!」 ・・・・・・・・返事はない。俺は2人を床に寝かせた後、自分の服に大量に血がついてることに気付いた。そう、両親は何者かに刺され、倒れていたのだ・・・・。俺はすぐに警察を呼んだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 警察はすぐにやってきて、俺は警察署に事情聴取のため向かった。 「さて、戸谷 修君。君には聞きづらいけど、何があったんだい?」 「い、、、いえ、俺は、、、ジョギングに出かけて、岩谷川で友人に会って長話をしていたら七時過ぎていたので急いで戻ったらもうこれでした。。。」 「そうか・・・。君には残念だが、お父さんとお母さんはつい先ほど亡くなられた。数カ所刺された後の出血多量によるショック死だよ・・・。すまない、もうすこし私達の手当てが早ければ・・・。」 「う、、うぅ、、、。チクショー!!なんでだ!!なんで母さんや父さんが!!何で!!何で!!」 そこに、騒ぎを聞いて駿一と玲がやってきた。 「おぃ、修!!大丈夫か!!」 「修!大丈夫だったの?怪我は?」 「俺・・は。大丈夫、、、でも、、、母さんと父さんが、、、」 「そんな。。。刑事さん!!なんでこいつの両親が!?」 「金目当てのようではなかったから、なにかの逆恨みかもしれん。。。でも修君、君だけでも生き残れたんだ、君は父さんや母さんの分まで生きなくてはならない。他の親戚はいるのかい?」 「い、、え。いません・・・。」 「そうなると、実の話なのだが、君の両親には多額の保険金と遺産が残っているのだよ。受取人は君になってしまう。その辺は後で手続きをとってくれ。今日は疲れたろう?家に帰ってやすむといい。」 「・・・・はい・・・・・」 「刑事さん、ありがとうございました。」 「さぁ、修、家に戻ろう?しばらくは私達がついてるから。」 「・・・・・・・・・ゴメン・・・・・・・・・・・・・」 俺は駿一と玲に連れられて自宅に戻った。いるだけで嫌な気分になるあの家に・・・。 ガチャ・・・。もちろん人はいない。鑑識の人も帰ったようだ。 「俺は今日はここに泊まる。こんな危ないところに修を1人置き去りにはできないからな。」 「それなら、あたしも残る。交代で明日の学校の荷物を取りに行こう」 「なぁ・・・。」 「ん?どうした修?」 「今日だけでいい・・・。1人にさせてくれないか・・・。」 「なにいってんだよ!!こんなところに1人でいると危ない!!」 「1人にさせてくれよ!!!!!!頼む・・・から。」 「駿一・・・。帰ろう?修がそう言ってるんだもの。ここは修の意見を優先させましょ?」 「うぅ・・・。わかったよ。すまなかったな、修。だが、なにかあったらすぐに呼べ。すぐにここに戻ってくる。」 「おぅ・・・。今日はありがとう・・・。俺は10日くらいしたら学校に行けるはずだから。(注・・・通夜、葬式などを含めます)」 「うん、それじゃ、修も気を付けてね・・・。」 バタン・・・。ドアは閉められた・・・・。これからしばらくは刑事さんとの話し合いがある以外は孤独のままだ。 「・・・・くそ!!くそ!!なんでだよ!!!なんで!!!・・・・」 そう、これが彼を待っていた運命。 悲しいことだが、これからは彼の生活が大きく変わることだろう。 |