蒼い空に・・・第6話第6話・・・「・・・いつかまた」 舞の様子を見に来ていた3人は面会時間が過ぎたところで帰る事にした。駿一は忙しい合間をぬって来ていたので親の車に乗っていってしまった。もちろん、愛も愛の両親が車で迎えに来てくれている。残ったのは俺と玲だ。 病院の前にはバス停がある。バスがすぐに来たので乗り、最寄のところまで乗車。バス停から降りると玲と俺の家の方角は反対、つまりバス停でお別れになってしまう。 「それじゃ、また明日学校で会おうぜ!!」 「・・・・ちょっとまって。」 「んあ?どうした?」 玲はいつもの冷静な玲ではなく少し怯えているようにも見えた。 「私の家まで・・・送ってくれない?やっぱり・・・」 「怖いか?通り魔が」 「・・・・うん・・・」 当たり前だろう・・・。自分のクラスメートの女子が襲われたのだ、怖くてもおかしくはない・・・。 「そっか。それじゃ行こうか?」 「ありがとう。修・・・」 真紅の夕日が暗い道を照らしてくれている、もう日は沈みかけている・・・、そろそろ暗くなるだろう。 話すようなことはあまりなく、玲は俺達の周囲を気にしているようだ。 俺は遠くをみるとパトカーが巡回しているのが見えた。この風景を見て俺は警察も必死なのか・・・。とも思う。なら、警察に全てを任せなくても俺に出来ること、、、サポートできることがあるんじゃないか?と自分に質問を投げかけた。考えついた答えは俺が玲や愛・舞を守ること、、、だった。 そうこうしているうちに玲の家の前についた。 「さぁ、ついたぞ!これで安心か?」 「うん、ありがとうね、修。」 なんとなくだが久しぶりに見た気がする玲の笑顔だ。。。暖かい感じがする。 「それじゃ、俺も帰らなきゃな。 明日、学校で会おうぜ!」 「ちょっとまって、、、」 「今度はどうした?」 玲はいちどうつむき何かを言いたそうだったがそれを自分で止めたようであった。 「ゴメン、なんでもないよ。また明日ね?修」 「おぅ!それじゃな」 俺は玲が何を言いたかったのかはまったく見当もつかないままであった。 気にしながらも家に着く前にスーパーで夕飯の材料を買って、1日を終えた。 それから3日、舞は教室にはいないが何事も無く平穏な日々が送れていた。少し違うのは玲が俺の家に来ないこと・・・とは言っても別に俺のことが好きでもないのに来てくれたのは彼女が心配してくれてのこと。そう言い聞かせながら家路についた。 「しかし、電話も1本でもくれればいいのになぁ・・・」 1人でつぶやく・・・。俺は俺で1人暮しやってるし・・・。たまに刑事さんが来てくれるが、相手は野郎だ・・・。あまりにも寒すぎる光景に身の毛がよだっていた・・・。 その日の夜、夕食を食べながら、ふと思い出した。 そう、舞は明日から学校に来れるのだ。彼女は比較的回復が早かったようで、明日から登校可能らしい。 俺は嬉しいなぁ・・・、と感じながら夕飯を食べつづけると突然電話がなった。 「はい、もしもし」 「修?私だけど。」 声の主は玲だ。 でも元気がないような気がする。 「どうした?なにかあったのか?」 「うん、、、修に話しておきたいことがあってさ・・・・。」 「そうか。 それで、その内容は?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・忘れた・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 一瞬だが固まった。 「へ? 忘れたの・・・?」 「ゴメン、明日言うから、それじゃ!!」 電話を切られた・・・。あまりにも謎めいてるこの電話。。。一体なにがあったのかわからないまま翌朝を迎えた。 学校に登校すると愛と舞、それに駿一がいた。 「あっ、修!!おはよぉ!!」 「修さん、おはようございます。」 「よぉ、修!舞が帰ってきたぞ!」 この3人は元気そうだ。。。 「おぉ、良かった良かった!!もう具合は大丈夫なの?」 「はい、もう大丈夫ですよ。駿一さんがね、毎日のように私のところに来てくれていろんな話しをしてくれてたから病院では退屈なんてなかったんですよ。」 「そうかそうか、駿一よ。なかなかやるなぁ」 「るせぇ!」 そんな笑い話をしていると本鈴がなった。 五十嵐先生は来ているが玲が来ていない・・・。 「先生、金城さんはどうしたんすか?」 「それなのだが、、、金城は父親の海外転勤に一緒に行く事になった。今日の朝渡米だ。あと1時間くらいだな・・・。すまない、みんなにはだまってるように本人に言われてな、、、っておい、戸谷!!どこに行く!!」 俺はそれを聞くとすぐに教室を飛び出した!!そして岩谷空港まで走って行った!! 40分走りつづけた。ようやっと岩谷国際空港のターミナルロビーまでたどり着いた。辺りを見渡すと玲の姿をみつけた。 「おい!!その出発ちょっと待てよ!!」 玲は振り向いた。俺の姿を見つけると逃げようとしてた。 「待てといってんだろ!! どうして、何も言わなかった?」 「言うと・・・・別れがつらくなるからにきまってんじゃないのよ・・・」 「馬鹿!言ってくれたら止めたかったさ!!なのになんで!!なんで行くんだよ!!」 「ゴメンね・・・・。でも、必ず日本には戻ってくる・・・。絶対だから」 俺は現状を飲みこむことにした・・・。 「その言葉、信じていいんだな?」 「うん、約束するから。」 「わかった。だがな、そう言ったからには俺はとことん待ちつづけてやる、そして真っ先におかえり、、、って言ってやる。だから、気をつけてな」 玲は涙を流しながらも俺に「ありがとう、行って来ます」と言って米国に旅立っていった。。。 もちろん、俺は学校に帰ったが先生にこっぴどくしかられたのは言うまでも無い・・・。 ジャンル別一覧
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