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August 7, 2007
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テーマ:ドイツ散文(11)
カテゴリ:ドイツ散文
ある日の午後のことだった。私たちは教会のそばの墓地に通りかかった。そこには小さなお堂が野原の間にさびれた様子で立っていて、次の村からは遠く離れていた。ぐるりと取り囲んだ壁を黒い茂みが覆い、夏のいなかでとても親しげに安らかに眠っていた。入口の格子垣のところに二本の大きなカスタニエンの木が立っていた。そして入口は閉まっていて、私は通り過ぎようとした。だがクヌルプは通り過ぎたいとは思わず、壁を乗り越えはじめた。私は「もう休むのかい」とたずねた。
「ああ、そうだとも。でないとじきに足の裏が痛くなるからね」
「うん、だけどよりによってお墓で眠るわけ?」
「そうとも、君も来いよ。ご存じのとおりお百姓はこの世ではあまりぜいたくしないが、死んでからはいい思いをしたいときている。だから喜んで骨を折って、墓の上や横に何かきれいなものを植えたりするのさ」
それで私も壁を越えて眺めると、クヌルプの言うとおりだった。小さな壁を乗り越える価値は、大いにあったからだ。壁の内側にはまっすぐの列や曲がった列の墓が隣り合って並んでおり、多くは白い木の十字架が立っていて、木や草や花が掛けられていたり、垂れ下がっていたりした。ヒルガオやゼラニウムが楽しげに輝き、奥の方の影の中には遅咲きのニオイアラセイトウもあり、ばらの茂みにはばらがいっぱいにぶら下がっていたし、リラの木とニワトコの木は太い幹に葉を茂らせていた。


Bus nach Maulbronn

Aus dem Bus nach Maulbronn






Last updated  September 29, 2007 06:41:10 PM
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